殷の王墓よりも早い時期の中国最古の墓地を発見 鄭州

2023-12-25 10:59:12  CRI

 このほど開かれた2023年度河南考古学作業成果交流会で、中国中部の河南省鄭州市にある商(紀元前17世紀ごろ~紀元前1046年。日本では殷の国名が使われることが多い)の都の遺跡で、考古学者が中国でこれまでに確認された中で最も古い貴族の墓地を発見したことが明らかにされました。中国古代の墓地の起源及び帝王陵の発展の研究のための新たな材料とのことです。

△鄭州商都遺跡書院街墓地から出土した金のマスク

 考古学発掘現場の責任者を務める鄭州市文物考古研究院の黄富成研究員によると、考古学研究者は2021年から2023年にかけての鄭州商都遺跡書院街地区での作業で、殷中期の高級貴族墓地を発見しました。

 この大型墓地は今から約3400年前のものとのことです。現存する面積は約2万平方メートルで、堀や墓地への通路、墓、祭祀用の建築物遺構などからなり、はっきりとした構造と明確な機能性があり、墓地としての完全性と系統性を備えているということです。

 この墓地では、これまでに墓20基、祭祀坑9基が発見されており、ホタテの形の金のマスク、トルコ石、青銅器、玉器などが出土しました。また、墓地の南側には、墓地と同時代に作られたとみられる版築(突き固められた土)による建築物2棟の基礎が発見されました。建物は多くの部屋からなる長方形の構造をしていて、墓地と何らかの構造上または機能上の関連性が存在する可能性があると見られています。

 黄研究員は、「新たに発見された鄭州商都遺跡書院街墓地は、中国内でこれまでに発見された墓地の中でも最古のもので、殷墟帝王陵の東西に並ぶ四角形の墓地の由来に直接の証拠を提供し、中国古代の墓地の起源と帝王陵の制度の発展の研究にとって重要な意義がある」と述べました。(ZHL、鈴木)


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