中国 がん関連死亡者数が15年で20%超増加

2023-12-25 13:28:46  CRI

 世界で最も評価の高い医学誌の一つ「ランセット・パブリック・ヘルス(Lancet Public Health)」で12月上旬に発表された研究によりますと、2020年の中国のがん関連死亡者数は240万人で、05年に比べて21.6%増加しました。 

 この研究は、中国疾病予防抑制センター慢性病センターと首都医科大学公衆衛生学院の二つのチームによるものです。同研究は2005〜20年の中国のがん死亡率の推移を分析し、すべての種類のがんと各省級行政区のがんによる負担の変化状況を評価しました。  

 中国 がん関連死亡者数が15年で20%超増加 

 同研究によりますと、「がんは2010年以来ずっと中国の主要な死因で、その発症率、死亡率、負担はいずれも増加している」とのことです。同研究は国家死亡率モニタリングシステムのがん死亡率データを使用しました。同システムは、中国大陸部にある31の省級行政区の605のモニタリングポイントをカバーし、全国の人口の24.3%を占めるもので、つまり3億を超える人がモニタリングに組み入れられています。 

 研究結果によりますと、20年の中国では、肺がんによる死亡者数が最も多く、2位の肝臓がんの2倍余りでした。3〜10位は胃がん、大腸がん(結腸がん・直腸がん)、食道がん、膵臓(すいぞう)がん、乳がん、白血病、神経系がん、子宮頸がんの順です。 

 05~20年の15年間で国内のがんマップに変化が見られました。05年は、死亡率が高かったのは男性が肺がん、肝臓がん、胃がん、食道がん、大腸がんの順で、女性が肺がん、胃がん、肝臓がん、食道がん、大腸がんの順でした。20年は男性の死亡率が高かった五つのがんに変化はありませんでしたが、女性では肝臓がんが3位から2位に、大腸がんが5位から4位に、乳がんが6位から5位にそれぞれ順位を上げ、食道がんは5位から7位に順位を下げました。 

 20年にがんで死亡した240万人のうち、157万人が男性で全体の65%を占め、女性は83万人でした。具体的な種類については、乳がんと子宮頸がんを除き、他の種類では男性の死亡者数と死亡率がともに女性を上回りました。 

 同研究は、性別だけでなく、年齢、都市部・農村部、各省級行政区の状況にも特に注目しました。それによりますと、男女を問わず、農村部のがんによる死亡率と早死疾病負担はともに都市部を上回ることが分かりました。 

 各省級行政区別では、20年は、広西チワン族自治区、河北省、新疆ウイグル自治区、河南省、青海省の男性と、江蘇省、河南省、広西チワン族自治区、新疆ウイグル自治区、上海市の女性で、すべての種類のがんによる死亡率と早死疾病負担率が低下しました。高所得の省級行政区では、大腸がんと膵臓がんの年齢標準化死亡率の増加が顕著でした。(閣、柳川) 

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