【観察眼】「サンフランシスコ・ビジョン」の実現には中米両国の歩み寄りが必要だ

2023-11-17 19:03:26  CRI

 ここ数日、世界中の視線は米サンフランシスコに向けられている。世界の二大経済大国である中国と米国の首脳が現地時間15日にこの地で会談を行ったのだ。中国の習近平国家主席にとって実に6年ぶりの訪米で、中米首脳が顔を合わせて会談するのは昨年のインドネシア・バリ島以来となる。今回の会談については、日本放送協会(NHK)、米CNN、英BBC、ロイター通信、AFP通信など、世界のほぼ全ての主要メディアがいち早く報じた。

 今回の会談が、なぜこれほどまでに世界的な注目を集めたのか。

 その答えは言うまでもない。中米関係は世界で紛れもなく最も重要な二国間関係である。両国のGDPの合計は世界の3分の1を超え、総人口は世界の約4分の1、二国間貿易額は世界の約5分の1を占めている。中米両国が安定した健全な二国間関係を維持することは、両国人民の根本的利益に合致するだけでなく、国際社会の共通した願いでもある。

 中米関係はこれまで決して順風満帆ではなく、常に紆余曲折とともに前進してきた。長年にわたり両国関係は絶えず困難に直面したにも関わらず、中国は米国との対話や協議を積極的に模索し、相違点を解消し、問題を解決するための一連の措置を講じ、中米関係を一日も早く健全で安定した発展の軌道に戻すためにたゆまぬ努力を続けてきた。

 経済貿易協力においては、米国が保護貿易主義を掲げ、輸出規制、投資審査、一方的制裁などの対中措置を絶えず取っているのに対し、中国は一貫して対話と協議を通じた紛争解決を堅持し、広く市場を開放する一連の積極的措置を講じており、中国国際輸入博覧会や中国国際消費品博覧会、中国輸出入商品交易会(広州交易会)、中国国際サービス貿易交易会など、活気あふれる展示会を次々と開催することで、中国が対外開放に対する自信と決意をハイレベルに示し、世界に開放とウィンウィンの「中国チャンス」をもたらしている。米中ビジネス評議会が発表した『米国対中輸出報告2023』によると、米国の対中輸出は米国内に100万人以上の雇用を創出し、7万社を超える米企業が中国で投資または事業を興し、その約9割が黒字を達成している。

 また、人文交流においては、経済が中米関係という船のバラスト(脚荷)であるとするならば、民間交流は揺れを抑えるフィンスタビライザーだ。中国は米国との民間交流の推進に全力を尽くしており、今年だけでも米シラー研究所の青年訪中団や、米義勇軍「フライング・タイガース」の元兵士とその子孫の訪中、第5回中米友好都市大会、「鼓嶺の縁」中米民間友好フォーラム、フィラデルフィア管弦楽団訪中50周年記念コンサートなど、さまざまなイベントが中国で開催されている。今回の中米首脳会談の終了後、習主席は米国の友好団体が共同で主催した歓迎レセプションに出席し、今後5年間で米国の5万人の青少年を中国に招待する意向を示したほか、中米観光ハイレベル対話の開催や中米直行便の増便など、多くの措置を講じると明らかにした。

 しかし、中米関係の安定回復の推進と「サンフランシスコ・ビジョン」の実現は、中国の努力だけではなし得ず、中米双方の歩み寄りが必要となる。今年に入ってから、米国が「演出」したTikTok公聴会の茶番劇、蔡英文氏の米国へのトランジット訪問の黙認、米国の対中半導体輸出規制の強化などといった一連の動きは、昨年バリ島での中米首脳会談で達したコンセンサスから大きく逸脱し、中米関係を健全で安定した発展の軌道に戻すプロセスを妨げている。

 習主席が今回の会談で述べたように、この地球は中米両国を受け入れるのに十分大きい。米国が真に中国と同じ方向を歩み、手を携えてグローバルな課題に対応し、世界の安全と繁栄を促進し、共に互恵・ウィンウィンのより良い未来に向かうことが望まれる。(CMG日本語部論説員)

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