中国南海の海底で明代の大型沈船遺構を発見

2023-10-20 12:56:18  CRI

 中国国家文物局は19日、「南海海域の水深1000メートル台の海底で古代の大型沈没船の遺構が発見され、陶磁器、木材など580点が引き上げられた」と発表しました。

沈没船の遺跡から引き上げられた文化財

 1号と2号の沈船の遺構が発見されたのは、南海の北西部にある中国の海南省と西沙諸島北部の間の水深約1500メートルの海底です。発見されたのは2022年10月で、国家文物局考古研究センターなどの部門が2カ所の沈船遺構に対して2023年5〜6月と9〜10月の2回に分けて深海考古学調査を行いました。その結果、1号沈船遺構から文化財543点、2号沈船遺跡からは36点が引き上げられたとのことです。

1号沈船遺構から引き上げられた文化財

 沈船遺構はいずれもほぼ完璧に保存されている上に文化財の数が多く、年代もほぼ特定されたなどで、中国の深海考古学での重要な発見であり、世界的にも重要な考古学上の発見です。1号沈船には海外に販売することを意図した陶磁器が大量に積まれており、2号沈船には海外から輸入された木材が積まれていました。中国の同じ海域で中国から海外に向かう船と海外から中国に向かう船が発見されたのは初めてです。沈船はいずれも明の時代(1368~1644年)中期のもので、当時の海上貿易の繁栄があらためて示されました。

2号沈船遺構から引き上げられた文化財

 国家文物局考古研究センターなどの部門は次の段階として、2024年3〜4月に3回目の考古学調査を実施します。今後は1号と2号沈船の遺構を重点として、南海の重点区域と重要な運航ルートをめぐる深海考古学調査が進められていきます。(殷、鈴木)

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