村上春樹氏の新作の翻訳権 中国で「青天井」

2023-10-19 13:04:58  CRI

 最近、日本の作家村上春樹氏の新作「街と、その不確かな壁」(中国語仮題:城市与其变幻不定的墙)の中国語版がまもなく発売になることが関心を呼んでいます。中国の各出版社がこの新作の翻訳権をめぐって激しい争奪戦を繰り広げていましたが、先日新作の簡体字中国語版の翻訳権争いがついに幕を閉じ、最終的に「青天井」の価格で読客文化(上海に本部を置く上場企業)が獲得しました。新作の中国語バージョンは2024年夏に出版予定で、これまでに村上春樹氏の作品「1Q84」などを翻訳した著名な翻訳家の施小炜氏が翻訳を担当します。

東京新宿の書店で村上春樹氏の新作「街と、その不確かな壁」を並んで求める読者

 村上春樹氏は2006年に代表作「海辺のカフカ」でフランツ・カフカ賞に選ばれて以来、同氏には「ノーベル文学賞次点」のレッテルが貼られ続け、すでに17年が経ちました。各プラットフォームの読者からのフィードバックを見ると、多くの一般読者にとって、ノーベル賞を取らなくても、村上氏の作品を読む意欲が失われることはありません。作品を世に送り出し続けている村上春樹氏本人が、自身の文学に対する熱意は賞に左右されるものではないことを行動で示しています。

 村上春樹氏の新作の簡体字中国語版版権争いも、常に出版業界をにぎわせており、中国のほとんどの有名出版社がオファーに参加しました。半年間にわたる著作権争奪戦はこの秋ついに幕を閉じ、読客文化が正式にこの翻訳権を手にしました。この「青天井」の翻訳権がいったいどのくらいの価格で取引されたのか、読客文化は公表していません。5年前に村上春樹の長編「騎士団長殺し」の中国語版が出版された際、翻訳者は「私が翻訳したすべての文字ないしすべての句読点は、計算すると大体1文字当たり25元(約510円)になる」と述べていました。「騎士団長殺し」は50万字を超えていることから、業界では、このデータを基に計算すると、同書の簡体字中国語版の版権料は1200万元(約2億4600万円)を超えると推定しています。(Mou、坂下)


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