【観察眼】シルクロード 世界と共に成長

2023-10-16 19:02:35  CRI

 今年は中国が提出した「一帯一路」イニシアチブの誕生10周年だ。中国のことわざに「十年磨一剣(10年をかけて剣1本を磨き抜く=長年をかけてすばらしい成果を出す)」がある。「一帯一路」イニシアチブはこの10年間、豊かな成果を収めてきた。3000件以上の協力プロジェクトが成立したほか、1兆ドル近くの投資が誘致され、数多くの沿線諸国で新しい「ランドマーク」や国民生活のモデルプロジェクトが遂行された。「一帯一路」イニシアチブは人気の高い国際公共財かつ国際協力のプラットフォームになった。

 しかし、「一帯一路」イニシアチブは誕生の日から、米国をはじめとする一部西側諸国から中傷され誹謗されてきた。「経済威圧論」「債務の罠」「地政学政治の道具論」など、悪意に満ちた攻撃が相次いた。ところが、世の中には実に簡単な道理がある。このイニシアチブが本当に悪いものならば、なぜ世界の4分の3の国が参加しているのか、ということだ。参加国が現実の利益を得ていないのなら、「一帯一路」の協力パートナーはなぜ、世界五大陸の150カ国以上の国と30以上の国際機関に及んでいるのか。

 米国などの西側諸国は傲慢さと偏見をもって「一帯一路」イニシアチブを敵視する一方で、焦りながら「一帯一路」を模倣して自らの覇権を維持しようと企てている。過去10年に西側諸国で提出された「一帯一路」に関する研究報告は3000点以上にも上る。しかもそれを踏まえて、欧州連合(EU)は2021年12月に、新興国への最大3000億ユーロ(約38兆円)の大規模なインフラ投資計画を発表し、米国は2022年6月のG7サミットの際に、向こう5年間に6000億ドルを調達して発展途上国へのインフラ整備を支援する新たな枠組み「グローバルインフラ投資パートナーシップ(PGII)」を発表し、「一帯一路」イニシアチブに対抗しようとしている。

 率直に言って、世界の繁栄と発展に資するイニシアチブもプランならばすべて歓迎する。野心溢れる西側諸国のプランやビジョンが、ただ単に「一帯一路」に対抗するための口先だけの約束ではなく、実行に移されることを心から期待する。何といっても、過去10年、「一帯一路」イニシアチブが「人々の心に受け入れられた」のは、参加国の人々に現実の利益をもたらしたからだ。

 発展の面から見ると、「一帯一路」の共同建設は多くの国の人々の暮らしを改善し幸せを増進してきた。とりわけ発展途上国であるアフリカ東部のモンバサ・ナイロビ鉄道、アディスアベバ・ジブチ鉄道、アジアの中国・ラオス鉄道、ジャカルタ・バンドン高速鉄道、そしてハイブリッド米やキノコの栽培技術――。中国によるインフラ建設や貧困撲滅、農業技術などの成功例は多くの発展途上国や低開発国、新興国に伝えられ、現地の人々に目に見える利益と利点をもたらしてきた。

 そして精神面では、「一帯一路」イニシアチブが提唱している「シルクロード精神」は古き良き東洋の知恵と現代の発展理念を融合させ、狭量な人種論や文明の衝突論を乗り越え、地域的な小サークルの集団意識を打ち破り、実力対抗に基づく「ジャングルの法則」と覇権による秩序を突破して、全人類共通の価値観に基づき、グローバルな視野を持って、包摂的な共存、交流と学びあい、協力とウィンウィン、民心の通じ合いを促してきた。こういった「道」が存在すること自体が、人々の望みだ。

 10年の実践が証明したように、「一帯一路」は閉鎖的なものではない。排他的な条項はなく、いかなる第三者であっても孤立させることはしない。「一帯一路」では協力と発展をテーマに皆が集結し、現実の利益で世界を魅了している。「一帯一路」の共同建設は植民地主義ではなく、災難や戦争を起こさず、難民やその他の危機ももたらさない。それどころか、世界の経済貿易、インフラ建設、人々の暮らしと幸せ、文明の交流と協力に開放的・包摂的・普遍的な恩恵と発展をより多くもたらしている。中国から発信された「一帯一路」イニシアチブは、世界に確実な利益をもたらしている。(CMG日本語部論説員)

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