2000年以上前の夏用の神器、古代中国の貴族は冷や酒を楽しんでいた

2023-07-07 13:40:36  CRI

 暑い夏には、冷やした酒を飲めば、暑気が和らぐでしょう。中国では2000年以上前の戦国時代初期に、酒を冷やすための青磁の道具が出現していました。中国のテレビ局はこのほど、夏の暑さをしのぐこの「氷酒器」を紹介しました。

 この氷酒器は大小2つの円盤で構成されている組み立て式です。出土したのは江蘇省無錫市鴻山にある越国の貴族の墓で、現在は南京博物館に所蔵されています。この文化財は不思議な形をしており、多くの使い方があります。

 この氷酒器には小さな円盤が上部にあり、盃やその他の器を入れるための13個の丸い穴があります。台座には三つの支持部分があります。その下には、一回り大きい受け皿があります。 専門家の推測によると、この氷酒器は受け皿の中に氷をいっぱい入れ、水を加えて氷水にして、酒を満たした盃を小皿の丸い穴にはめ込んで使います。氷水は触れた物を急冷し、さらに冷気を遮断して蒸発を抑えます。小さな酒杯に注がれた酒は、すぐに冷酒になります。

 中国の戦国時代の詩人である屈原の『楚辞・招魂』には「挫糟冻饮,酎清凉些(盃を満たす氷凍した甘き酒、口に含めばまことに涼なり)」と詠まれています。当時の貴族の宴席では、米から作った酒を冷やして飲むことが、当たり前のように行われていたことがわかります。 

 ところで、古代の中国人は夏にどうやって氷を作っていたのでしょうか。中国には氷を貯蔵して利用する非常に長い歴史があります。夏に欲しい氷は、冬の間に貯蔵していました。中国最古の詩集である『詩経』は、「二之日凿冰冲冲,三之日纳于凌阴」との記述があります。これは、12月には氷を割り砕き、正月にはそれを氷室に密閉するということです。古代の中国人はこのようにして、夏に使う氷を長く保存することができました。(hj、鈴木)

氷酒器で飲み物を冷やす

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