福島の放射能汚染水海洋放出をめぐるIAEAの包括報告書を受け、中国生態環境部がコメント

2023-07-05 13:47:19  CRI

 国際原子力機関(IAEA)が日本の福島第一原発の放射能汚染水処置に関する包括報告書を発表したことを受けて、中国生態環境部(国家原子力安全局)の担当者はこのほど、記者の質問に答え、「報告書は評価作業に参加した専門家全員の意見を十分に反映しておらず、結論は専門家の一致した承認を得られていない。海洋放出の正当性や浄化装置の信頼性、モニタリング計画の完成度などの面において多くの問題が存在している」と指摘しました。

 同担当者は、「日本側の現在のモニタリング体制には、次のような問題も存在している。第一に、汚染水放出前のモニタリングに遅れがあり、放出が基準に合ったものかどうかをいち早く判断することができないため、基準を満たさない汚染水が直接海洋に放出される可能性がある。第二に、放射能汚染水を混合した後のモニタリングは不合理な希釈をもたらす可能性がある。日本は10缶分の放射能汚染水を混合した後にサンプリングしてモニタリングするが、それだと高濃度の放射能汚染水が低濃度の汚染水によって薄められ、基準に合った放射能汚染水になる可能性がある。第三に、オープンで透明性のある長期的な国際的モニタリングが必要だ。日本の福島第一原発放射能汚染水海洋放出は世界の海洋環境と人々の健康に関わるものであり、利害関係者が参加するオープンで透明な国際社会によるモニタリング・監督を受けるべきであり、日本側主導下での『体裁を繕う』だけのモニタリングであってはならない」と強調しました。

 同担当者はまた、「日本が各国の正当で合理的な懸念を直視し、科学的で、安全かつ透明な方法で放射能汚染水を確実に処置し、隣国など利害関係者が加わった長期にわたる国際的モニタリングメカニズムを早急に構築すべきだ」と呼びかけました。(ZHL、坂下)

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