中国 マグネシウム合金による自動車用超大型ダイカスト部品の開発に成功

2023-06-29 12:12:22  CRI

 重慶大学のキャンパス

 中国西部にある重慶大学の発表によりますと、重慶大学国家マグネシウムセンターとハイエンド装備鋳造技術全国重点実験室は、関連企業と共同でマグネシウム合金による自動車用の超大型ダイカスト構造部品の試作に成功したということです。

 今回試作に成功したのは、一体化した車体の鋳造部品とバッテリーコンパートメントカバーの2種類の新エネルギー車用超大型構造部品で、投影面積はいずれも2.2平方メートルを越え、現在、世界で最も大きなマグネシウム合金による自動車用ダイカスト構造部品となります。2種類とも、従来のアルミニウム合金の鋳造部品に比べて重量が32%軽減され、今後の新エネルギー車の大幅な軽量化につながるものと見込まれています。

 研究者によると、今回の開発では、大容量のマグネシウム合金の溶融純度、マグネシウム合金構造部品の設計とダイカスト工程の最適化、ダイカストの不良品予測と管理など、多くの技術的ボトルネックを乗り越え、コア技術を把握しました。また、高品質の超大型マグネシウム合金構造部品の開発は、今後の大量生産と応用促進に道を開いたものとみられています。

 中国のマグネシウム資源は世界の7割以上を占めており、マグネシウム材料と製品の研究開発・生産大国として、中国のマグネシウムとマグネシウム合金の生産量は十数年連続で世界の8割を超えています。マグネシウム合金は最も軽い金属構造部材の一つで、その密度はアルミニウム合金の3分の2、鉄鋼の4分の1で、最も開発の可能性を秘めた軽量金属材料の一つとみられています。また、マグネシウムとマグネシウム合金はエネルギー蓄積材料としても最も有望なものの一つです。

 今回超大型マグネシウム合金構造部品の試作に成功したことは、大型かつ複雑な構造材分野におけるマグネシウム合金のより広範囲での応用を後押しし、自動車の軽量化のみならず、エネルギーの節約や二酸化炭素の排出削減、エネルギーの安全保障、中国の金属鉱産物資源不足の緩和にもつながるとみられています。(Lin、坂下)

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