中国、10カ月ぶりの利下げを発表

2023-06-21 13:34:13  CRI

 中国人民銀行(中央銀行)は20日、貸出基礎金利の指標となるローンプライムレート(LPR)の引き下げを発表しました。その内、1年物は3.55%、5年物以上は4.2%で、いずれもこれまでより0.1ポイント引き下げられ、9カ月続いた「据え置き」状態に終止符を打ちました。市場の予想と一致すると共に、複数のメリットがもたらされるとみられています。

 LPRはローン市場における貸出金利の目安です。専門家の間では、政策金利の引き下げが今月のLPR 2銘柄の引き下げをけん引し、実質貸出金利の引き下げを効果的に促して、実体経済の資金調達コストを引き下げ、消費と投資の成長原動力を強化するとの見方が広がっています。

 中国民生銀行のチーフエコノミストである温彬氏は、「最近、預金公示金利の引き下げ、当座預金類の管理・コントロール、政策金利の引き下げなど一連のオペレーションが実施され、銀行の負債コストがいくらか改善されたことで、LPR相場引き下げの余地が生まれた」との考えを示しています。

 また、温彬氏は、「製造業購買担当者指数(PMI)、輸出、不動産、信用貸付、社会融資および最近発表された5月のマクロ経済データはいずれも、現在の経済運営に一定の圧力が存在することを示している」とし、「実体経済の資金調達コストの引き下げは依然として必要であり、雇用の安定、投資の拡大、消費の促進に役立ち、経営主体の自信を回復し、市場の期待を安定させ、企業と住民部門の投融資選好をさらに改善する」と述べました。(RYU、坂下)

ラジオ番組
KANKAN特集