三星堆遺跡の青銅器2点が復元

2023-06-15 14:07:27  CRI

 中国西南部の四川省文物考古研究院で発掘と文化財保護を担当する研究者たちがこのほど、3Dスキャンと3D造形モデルなどの手法により、三星堆遺跡の異なる祭祀坑から発掘された、今から3千年前の大型青銅器である銅獣駄跪座人頂尊銅像と銅罍尊倒立鳥足頂尊神像の2点の復元に成功しました。

銅獣駄跪座人頂尊銅像

 銅獣駄跪座人頂尊銅像は高さが1.589メートルで、上部、中部、下部の三つの部分から成っています。銅像は2021年に3号坑から出土した銅頂尊跪座人像、1986年に2号坑から出土した銅尊の口縁部、2022年に8号坑から出土した銅神獣から成っています。

 この青銅器は祭壇を表しており、祭祀の場面を再現しています。下の部分はすこぶる大きな神獣がこうぜんと胸を張りながら立っている姿で、その頭の部分は大きく長く、耳が長く、目じりの下には「臣」の形をした目が置かれ、後頭部には雄のライオンのようなたてがみが生えています。神獣の頭部の中央には古代四川省の王を象徴するかのような華麗な服を着た小型の青銅の人像が立っています。中央部には神獣の背中にひざまずいている人物像があり、祈祷師だとみられます。銅人像は眉が濃く、目が大きい人物で、両腕を胸元まで持ち上げています。頭上には、上が大きく下が小さい冠をかぶっています。青銅器上部の背が高く痩せた銅人像は中原文化の様式を備えています。頂尊の内部には貝殻、玉、酒など供え物が収められています。

 銅罍尊倒立鳥足頂尊神像は高さ2.53メートルで、四つの部分から成っています。1986年に2号坑から出土した銅鳥脚人像、2021年に3号坑から出土した爬竜銅器蓋、2022年に8号坑から出土したかがんだ銅頂尊撑罍曲身人像、銅持竜立人像、銅杖形器などの部分から成っています。

銅罍尊倒立鳥足頂尊神像

 これは大きな青銅製祭壇で、下部の銅製容器、中部の神像、上部の人像から成ります。中部の鳥脚神像の、縦長の目とむきだした牙、額と頭後部の束になった髪の毛がとりわけ目を引きます。神像の両手は方座銅罍の蓋に押し当てられており、頭を高く上げ、身をかがめて、腰から下は反対向きに曲がって上を向いています。両足は鳥の足に姿を変えて、逆さまになったタカの頭をつかんでいます。タカの首から上は抽象化されたタカの胴体になっています。神像の頭上には銅の容器があり、かさの形をした花ボタンの蓋には竜が横たわり、その後ろには高い冠をかぶってシカの牙で作った耳飾りを付け、礼服をまとった弁髪の人物が立っており、その両手には先が曲がって下に向けられた一丈の太い竜首杖が握られています。この奇抜な造形の青銅製の祭壇像は古代四川省文化の特色をはっきりと示しています。(殷、坂下)

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