有史以前の城跡「石家河古城」に水利システムを初めて確認=中国湖北省

2023-03-09 17:28:58  CRI

 湖北省文物考古研究院はこのほど最新の考古学的成果として、石家河古城が内城、外堀、外郭城から構成されていることを初めて確認したと発表しました。面積約350万平方メートルに及ぶこの古城は、同時期におけるものとしては長江中流地域で最大のものであると同時に、新たに水利システムも発見されました。この新たな成果は、石家河古城と長江文明の歩みを研究する上で、まったく新しい、重要な材料を提供するものです。

 

高空から撮影した石家河古城遺跡

 湖北省天門市の石家河遺跡は1954年に発見され、長江中流地域において最大の面積を持ち、最も完全に保存されている新石器時代の集落遺跡として、五千年の歴史を持つ中華文明史の重要な実証となっています。1992年、この地で有史以前の大規模な城跡である石家河古城が発見されました。当時の調査で明らかになった面積は120万平方メートルでした。その後の30年間、この古城に関する研究は絶え間なく続けられてきました。

 考古学によりますと、石家河古城は広大な規模に加え、配置も整っており、城壁の厚さは70メートルから100メートルの間であり、土を打ち固めた城壁は極めて堅牢です。考古学者はこの他に水利システムも発見し、内城の河川、水門、水をせき止めるせき、小型のダムなどの水利施設を初めて確認しました。また、城内の南西部にある水系付近では、有史以前の稲田の遺構も発見されると共に、陶器、石器、稲などの有史以前の重要な遺物も発見されました。さらに、発見された数万点にのぼる石家河文化の陶製の像は、人のほか鶏、犬、羊、豚、象、猿、貘、亀など10種類以上の小動物を網羅しており、その多くは手ごねで作られていました。

 

石家河陶獣

石家河玉器

 このほか、遺跡からは3回にわたって合計400点を超える玉器が出土しています。その多くは小型の装飾品で、玉製の人物像や竜、鳳凰、虎、セミ、鷹などの動物をかたどったもので、その複雑で精緻な彫刻は当時の優れた玉器製作レベルを示しています。その内の一部の玉人の目と耳が誇張された頭部は、長江上流の三星堆から出土した青銅人像の顔の特徴と非常に似通っています。(朱、坂下)

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