2022年中国本土映画興行年間ランキング(1位~10位)

2023-01-07 13:07:34  CRI

 2022年に中国全土で公開された全作品の興行収入は300億6700万元(約6000億円)で、コロナ禍の影響により2021年から36%下がる結果に。そのうち国産映画が84.85%を占める255億1100万元でした。都市部の映画館では、年間観客動員数がのべ7億1200万人となりました。

 ~集計期間:2022年1月1日~12月31日 単位:万元~ 

~作品紹介~

【1位】1950 水門橋決戦(原題:長津湖之水門橋)
公開日:2022年2月1日
監督:陳凱歌(チェン・カイコー)徐克(ツイ・ハーク)林超賢(ダンテ・ラム)
主演:呉京(ウー・ジン)易烊千璽(イー・ヤンチェンシー)朱亜文(ジュー・ヤーウェン)李晨(リー・チェン)

  『長津湖』(2021)から4カ月を経て公開された続編『長津湖之水門橋』が40億元(約758億円)超の興行成績で年間1位に立ちました。抗米援朝の時期における戦役の一つ「長津湖の戦い」を背景に、中国人民志願軍が極寒の厳しい環境の中で敵との死闘を展開し戦局を逆転させたという71年前の壮絶な歴史を再現するこのシリーズですが、本作では志願軍7連の兵士たちが「新興里の戦い」と「下碣隅里の戦い」に続く新たな難ミッションに挑む様子を描いています。なお、前作『長津湖』は2022年9月30日に『1950 鋼の第7中隊』という邦題で日本公開を果たしており、今作は『1950 水門橋決戦』の邦題で2022年12月9日からシネマート新宿ほか日本全国で順次公開中です。

【2位】独行月球(Moon Man)
公開日:2022年7月29日
監督:張吃魚(ジャン・チーユイ)
主演:瀋騰(シェン・タン)馬麗(マー・リー)常遠(チャン・ユエン)李誠儒(リー・チェンルー)黄才倫(ホァン・ツァイルン)辣目洋子(ラームー・ヤンズー)黄子韜(ホァン・ズータオ)

 喜劇団体「開心麻花(カイシンマーファー)」の瀋騰(シェン・タン)&馬麗(マー・リー)がW主演するSFコメディ『独行月球(Moon Man)』が年間2位に。本作は、地球を小惑星の衝突から守るための「月盾プロジェクト」が月で実施される中で、月からの撤退に間に合わず一人取り残された作業員の男、独孤月が「月上生活」を始める様子を描いています。本作は、2022年東京国際映画祭の一環として開催された「東京・中国映画週間」で『月で始まるソロライフ』との邦題で上映されました。

【3位】這个殺手不太冷静(Too Cool To Kill)
公開日:2022年2月1日
監督:邢文雄(シン・ウェンション)
主演:馬麗(マー・リー)魏翔(ウェイ・シャン)陳明昊(チェン・ミンハオ)周大勇(ジョウ・ダーヨン)黄才倫(ホァン・ツァイルン)艾倫(アイ・ルン)

 大人気を誇る喜劇団体「開心麻花(カイシンマーファー)」のコメディ映画は、近年の春節映画シーンに欠かせない存在に。その一作である本作は、三谷幸喜監督の『ザ・マジックアワー』(2008)が原案で、殺し屋映画の主演に抜てきされた俳優の魏が、映画撮影中に危機一髪の陰謀に巻き込まれていくストーリーです。馬麗(マー・リー)や魏翔(ウェイ・シャン)らが主演を務め、日本では『トゥ・クール・トゥ・キル』の題で「東京・中国映画週間」に出品されました。

【4位】人生大事(Lighting Up The Stars)
公開日:2022年6月24日
監督:劉江江(リウ・ジアンジアン)
主演:朱一龍(ジュウ・イーロン)楊恩又(ヤン・エンヨウ)王戈(ワン・ゴー)劉陸(リウ・ルー)羅京民(ルオ・ジンミン)呉倩(ウー・チェン)

 中国版『おくりびと』とも言える、葬祭業をモチーフにした本作は、平遥国際映画祭の新人監督をサポートする投資プロジェクトに選ばれた作品です。納棺師の莫三妹が、ある納棺の仕事をきっかけに、孤児になった女の子・小文と出会ったことで人生を大きく変えていく物語です。

【5位】万里帰途(Home Coming)
公開日:2022年9月30日
監督:饒暁志(ラオ・シャオジー)
主演:張訳(ジャン・イー)王俊凱(ワン・ジュンカイ)殷桃(イン・タオ)成泰燊(チェン・タイイェン)

 歴史上の実話をもとにしたもので、戦争が勃発したヌーミア共和国で、元外交官と外交部の新人が戦火の中、中国の同胞を連れて帰国の途につく物語。主演は、張藝謀(チャン・イーモウ)作品の『懸崖之上(Impasse)』(2021)や『狙撃手』(2022)などに出演し、現在は映画俳優として大活躍中の張訳(ジャン・イー)、トップアイドルグループTFBOYSのリーダー王俊凱(ワン・ジュンカイ)など。

【6位】奇跡・笨小孩(Nice View)
公開日:2022年2月1日
監督:文牧野(ウェン・ムーイエ)
主演:易烊千璽(イー・ヤンチェンシー)田雨(ティエン・ユー)陳哈琳(チェン・ハリン)章宇(ジャン・ユー)

 『薬の神じゃない!(原題:我不是藥神)』(2018)で鮮烈な長編デビューを果たした文牧野(ウェン・ムーイエ)監督の待望の長編第2弾。中国の大都会・深圳を舞台に、易烊千璽が演じる青年・景浩が妹の手術費を集めるために仲間たちと起業するサクセスストーリーです。本作も2022年の「東京・中国映画週間」に出品されました。日本での上映タイトルは『奇跡の眺め』。

【7位】ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(中国題:侏羅紀世界3)
公開日:2021年6月10日
監督:コリン・トレヴォロウ
主演:クリス・プラット ブライス・ダラス・ハワード サム・ニール ローラ・ダーン ジェフ・ゴールドブラム ママドゥ・アティエ ディワンダ・ワイズ

 2022年に中国本土に登場した洋画のNo.1は『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(中国題:侏羅紀世界3)』。「ジュラシック・ワールド」三部作の待望の完結編。前作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018年)で恐竜たちが解放されてから4年が経ち、中生代を彷彿とさせる光景が広がった世界で恐竜と人類の共存が大きな課題となる中、主人公・オーウェンたちが恐竜の保護を目指す様子を描いています。

【8位】熊出没・重返地球(Boonie Bears:Back To Earth)
公開日:2022年2月1日
監督:丁亮(ディン・リャン)
主演(吹替):張偉(ジャン・ウェイ)張秉君(ジャン・ビンジュン)譚笑(タン・シャオ)邵和麒(シャオ・ハーリン)

 中国東北部の山林地帯に住む熊の兄弟「熊大」と「熊二」、それに坊主頭の木こり「光頭強」とのかけがえのない日々を描く中国の名作アニメ「熊出没」シリーズの通算8作目。ヒーローになることを夢見ていた「熊二」が、宇宙から降ってきた「隕石」のパワーを手に入れ、それを奪還しようと攻撃を仕掛けてくる宇宙人「阿布」と、地球を守るために対峙するストーリーとなっています。

【9位】アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(中国題:阿凡達:水之道)
公開日:2022年12月16日
監督:ジェームズ・キャメロン
主演:サム・ワーシントン ゾーイ・サルダナ シガニー・ウィーバー スティーヴン・ラング ケイト・ウィンスレット

 ジェームズ・キャメロン監督作『アバター』の約13年ぶりの続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(中国題:阿凡達:水之道)』がこの年末年始に中国で大ヒット上映中。本作は第1作の10年後を描いたもので、神秘の星パンドラに人類が再びやってきたことから、パンドラの森で平和に暮らしていた元海兵隊員と先住民の女性たちが海へと逃れる様子を描いています。

【10位】神探大戦(Detective VS. Sleuths)
公開日:2022年6月24日
監督:韋家輝(ワイ・カーファイ)
主演:劉青雲(ラウ・チンワン)蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)林峯(レイモンド・ラム)李若彤(カルメン・リー)

 中国香港を代表する名優、劉青雲(ラウ・チンワン)が主演を務めるクライムサスペンス『神探大戦(Detective VS. Sleuths)』。本作は、同じく韋家輝と劉青雲のタッグによる『MAD探偵 7人の容疑者(原題:神探)』(2007)から15年ぶりとなる姉妹編で、今作で劉青雲が演じる名探偵が挑む相手は、数々の凶悪事件を起こした犯罪グループ、その名も「神探」。作中で描かれる事件は全て香港で実際に起こった事件だということです。本作は、「神探大戦」とのタイトルで東京国際映画祭に正式出品。(ミン・イヒョウ、謙)

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