2022年中国本土映画興行年間ランキング（11位~20位）

　2022年に中国全土で公開された全作品の興行収入は300億6700万元（約6000億円）で、コロナ禍の影響により2021年から36%下がる結果に。そのうち国産映画が84.85%を占める255億1100万元でした。都市部の映画館では、年間観客動員数がのべ7億1200万人となりました。

 ～集計期間：2022年1月1日～12月31日 単位：万元～

～作品紹介～

【11位】未来戦記（原題：明日戦記）
公開日：2022年8月12日
監督：呉炫輝（ユエンファイ・ン）
主演：古天樂（ルイス・クー）劉青雲（ラウ・チンワン）劉嘉玲（カリーナ・ラウ）姜皓文（フィリップ・キョン）謝君豪（ツェー・クワンホウ）張家輝（ニック・チョン）

　人類の生存環境の悪化が続く、近未来の世界が舞台のSFアクション。古天樂（ルイス・クー）演じる泰来と劉青雲（ラウ・チンワン）演じる鄭重生が機甲戦隊を率いて、隕石の落下後に地球に君臨するようになった異星生物と熾烈な戦いを展開する物語を描いたものです。日本では『未来戦記』というタイトルで、2022年12月2日からNetflixにて公開されています。

【12位】穿過寒冬擁抱你（Embrace Again）
公開日：2021年12月24日
監督：薛暁路（シュエ・シャオルー）
主演: 黄渤（ホァン・ボー）賈玲（ジャー・リン）朱一龍（ジュー・イーロン）徐帆（シュー・ファン）

　コロナ禍によるロックダウンが実施されていた2020年春節の湖北省武漢市を舞台に、困難を乗り越えるために支え合う市民たちの群像をコミカルに描いた作品。中国を代表する人気役者が勢揃いしています。

【13位】狙撃手
公開日：2022年2月1日
監督：張芸謀（チャン・イーモウ）張末（チャン・モオ）
主演：陳永勝（チェン・ヨンション）章宇（ジャン・ユー）張訳（ジャン・イー）劉奕鉄（リウ・イーティエ）黄炎（ホァン・イェン）

　張芸謀（チャン・イーモウ）が、同じく監督として活躍中の娘、張末（チャン・モオ）と共に送り出した話題作。抗米援朝時期の冷槍冷砲運動（狙撃作戦）を背景に、中国人民志願軍が米国の精鋭スナイパー部隊と死闘を繰り広げる物語です。

【14位】新神榜：楊戬（ようせん）
公開日：2022年8月19日
監督：趙霁（ジャオ・ジー）
主演：王凱（ワン・カイ）李蘭陵（リー・ランリン）季冠霖（ジー・グエンリン）李立宏（リー・リーホン）

　中国の古代神話「白蛇伝」がベースの話題作『白蛇：縁起』（2019）などの制作スタジオ・追光動画による「新神榜」シリーズ第2弾。このシリーズは中国古典小説『封神演義（ほうしんえんぎ）』の登場人物を中心とするオリジナルストーリーで、シリーズ第1弾は2021年2月26に日本公開も果たした『ナタ転生（新神榜：哪吒重生）』でした。今作の主人公・楊戬（ようせん）は、「二郎神」や「二郎真君」の異名を持ち、額に縦長の第3の眼を持つことで知られ、封神の戦いにおいて姜子牙の陣営で活躍しました。本作は、楊戬とその甥の沈香と共に、山に封印された沈香の母親（楊戬の妹）を救出するために奔走する物語を描いており、もう1つの古代神話伝説である『宝蓮灯（ほうれんとう）』の要素も取り入れられています。

【15位】哥，你好（Give Me Five）
公開日：2022年9月9日
監督：張栾（ジャン・ルエン）
主演：馬麗（マー・リー）常遠（チャン・ユエン）魏翔（ウェイ・シャン）賈氷（ジャー・ビン）

　1980年代にタイムスリップした男性・小伍が、青年時代の両親のなれそめを邪魔してしまったことに気づき、2人の関係修正に奔走する物語。喜劇団体「開心麻花（カイシンマーファー）」所属のコメディアンが勢ぞろいし、人気俳優の賈氷（ジャー・ビン）も共演。

【16位】四海（Only Fools Rush In）
公開日：2022年2月1日
監督：韓寒（ハン・ハン）
主演：劉昊然（リウ・ハオラン）劉浩存（リウ・ハオツゥン）瀋騰（シェン・タン）尹正（イン・ジョン）

　2014年に『後会無期（Continent）』で鮮烈な監督デビューを果たした中国の人気作家、韓寒（ハン・ハン）の『ペガサス／飛馳人生』（2019）に次ぐ、長編監督作第4弾。留守児童の少年（留守児童とは、中国の急速な経済発展を背景に、農村から都市への出稼ぎ労働者が増加する中、その労働者たちが故郷に残してきた子どものこと）である呉仁耀が、久々に帰ってきた父親とその仲間たちと共にバイクに乗って冒険の旅に出ます。

【17位】反貪風暴5：最終章（G Storm）
公開日：2021年12月31日
監督：林徳禄(デビッド・ラム)
主演：古天楽（ルイス・クー）張智霖（チョン・チーラム）鄭嘉頴（ケビン・チェン）

　香港の汚職捜査機関「ICAC（廉政公署）」の活躍を描く香港のサスペンス・シリーズ「反貪風暴」の最終章となる第5弾。このシリーズはTV番組の演出家出身である林徳禄(デビッド・ラム)監督と、香港を代表する俳優、古天楽（ルイス・クー）との強力タッグによるもの。今作では、要人警護を担当するSPに当たる「G4」の活躍を中心に、古天楽演じるチーフが率いる捜査チームが、ICAC 史上最大規模の事件に挑む様子を描いています。

【18位】李茂扮太子（Another Me）
公開日：2021年12月31日
監督：高可（ガオ・コー）楊暁明（ヤン・シャオミン）
主演：馬麗（マー・リー）常遠（チャン・ユエン）艾倫（アイ・ルン）魏翔（ウェイ・シャン）

　中国で大人気を誇る喜劇団体「開心麻花（カイシンマーファー）」のメンバーとして知られる馬麗（マー・リー）や常遠（チャン・ユエン）、艾倫（アイ・ルン）、魏翔（ウェイ・シャン）らが揃って主演を務める時代劇コメディ。富豪令嬢との結婚を向こうの両親に認めてもらえない一介の巡査・李茂が、偶然にも皇太子と同じ顔であることを知り、皇太子との合意で人生を交換するという驚きの計画に走る様子を描いており、人生交換により周りの人間がとんでもない事態に巻き込まれていくドタバタ喜劇となっています。

【19位】バッドガイズ（中国題：壊蛋聯盟）
公開日：2022年4月29日
監督：ピエール・ペリフェル
主演（吹替）：サム・ロックウェル　マーク・マロン　クレイグ・ロビンソン　アンソニー・ラモス　オークワフィナ リチャード・アイオアディ　ザジー・ビーツ　リリー・シン　アレックス・ボースタイン

　全米週間1位もゲットしたドリームワークスのアニメ映画。ピエール・ペリフィルの長編監督デビューとなったこの作品は、同名の児童書シリーズを原作としており、リーダーのミスター・ウルフをはじめ、スネーク、タランチュラ、ピラニア、シャークで結成された「アニメ史上最強の怪盗ドリームチーム」の活躍を描くクライム・コメディです。

【20位】誤殺2（Sheep Without a Shepherd 2）
公開日：2021年12月17日
監督：戴墨（ダイ・モオ）
主演：肖央（シャオ・ヤン）任達華（サイモン・ヤム）文咏珊（ジャニス・マン）陳雨鍶（チェン・ユイスー）

　日本でも公開された社会派サスペンス『共謀家族（原題：誤殺）』の第2弾。2年ぶりとなるシリーズ最新作は、前作の続きではなく、まったく新しいストーリーとして制作されていますが、肖央は前作同様、家族を守るために悪の勢力と戦う父親を演じています。（ミン・イヒョウ、謙）