【CRI時評】エリゼ宮での夕食会からホワイトハウスでの公式晩餐会まで、欧州は米国を見抜いている

2022-12-05 09:31:09  CRI

 フランスのマクロン大統領は2日、3日間の訪米日程を終えた。仲介に長じているマクロン氏の今回の渡米は主に、米「インフレ抑制法」が欧州企業を免除するよう求めることだったが、結果として何も得られなかった。

 マクロン氏の今回の訪米は、名義上は国賓訪問だが、実際には正義を求めるためだ。バイデン米大統領は今年8月、「インフレ抑制法案」に署名し、電気自動車や他のグリーン技術の米国本土での生産と応用を後押しするため、高額の補助金を含む大量のインセンティブを打ち出し、欧州諸国の極めて大きな不満を引き起こした。欧州諸国は、同法案が貿易保護主義政策を含むもので、世界貿易機関(WTO)のルールに反し、欧州の工業生産を萎縮させ、欧州企業に生産ラインの米国への移転を強いると見ている。

 マクロン氏の訴えに対し、バイデン氏は、米国は欧州に謝る必要はないが「微調整」は可能としたものの、具体的な措置については説明しなかった。バイデン政権が今回、50万ドルを費やして政権発足後初の国賓としてマクロン氏を迎えたのは、慰撫することの他に、自分側に引き込むためだ。米国が欧州に求めているのは、ロシア・ウクライナ問題で連携し、中国との「競争」において米国と一貫性を保つことだ。これは欧州の「血を吸う」ことに他ならず、同時に、欧州に米国の覇権に忠実に奉仕させるというものだ。

 マクロン氏と欧州の指導者にとって、ホワイトハウスでの盛大な公式晩餐会は、「環大西洋のパートナー」間の深い亀裂を隠せず、「米国が欧州を盟友と見なしたことは一度もなく、むしろ米国式覇権を擁護するための踏み台や米国の利益のために金を出すカモと見なしている」という事実を覆い隠せない。

 マクロン氏の訪米に先立ち、米国の政治ニュースメディア「ポリティコ」は、米国が米欧間の貿易補助金を巡る争いで仏側と妥協できなければ、大西洋を挟んだ貿易戦争は避けられないと予言した。欧州はきっと、米国の魂胆を見極めて戦略的自主を追求する歩みを一刻たりとも止めないだろう。(CRI論説員)

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