チベット高原西部の湖の水量、地下水補給で大幅に増加すると判明

2022-11-22 10:23:47  CRI

 中国科学院青蔵高原研究所が明らかにしたところによりますと、同研究所の環境変化・地球圏チームとその協力者がチベット高原西部の湖の5年連続の水位と水文気象観測資料を利用して研究した結果、地下水の補給により冬の湖面凍結期に湖の水位が明らかに上昇し、チベット高原西部の湖の水位の季節的推移と年次推移の特徴に大きな影響を与えることが分かりました。この研究はチベット高原西部地区の水循環プロセスおよび湖の変化の原因を認識する上で重要な意義を持つとされます。研究成果に関する論文はこのほど、米国地球物理学連合の論文誌「Geophysical Research Letters」に掲載されました。

△研究対象となった流域の水循環の概略図 

 最新のモニタリング結果によりますと、チベット高原西部に分布する湖では、湖面の凍結期に水位が著しく上昇する現象が見られます。研究者は、冬の湖面凍結期に水位が上昇する主な原因は地下水の補給であることに気付きました。湖の通年の水量バランスを計算した結果、地下水補給は湖に流れ込んだ水量の59~66%を占めており、地下水補給は高原西部の湖の水量維持に重要な役割を果たすだけでなく、地域の水循環の重要な構成部分であることが分かりました。 

 また、チベット高原西部の地下水の形成が地域の地質構造の特徴と関係している可能性もあるとされています。高海抜地域の氷河と積雪の雪溶け水は活断層の破砕帯を通って地下水を補給し、低海抜地域で湖に合流しています。地下水の補給が安定的で循環周期が長いため、大量の地下水の補給が湖の水位の季節的推移などに著しく変化をもたらしているということです。(ZHL、野谷)

 

 

 

 

 


 

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