中米首脳会談について王毅外交部長が紹介

2022-11-15 15:46:50  CRI

 習近平国家主席とバイデン米大統領は14日、インドネシアのバリ島で会談を行いました。会談後、王毅国務委員兼外交部長は今回の中米首脳会談の状況について報道陣に紹介すると共に、記者からの質問に答えました。

 

 王外交部長の紹介によりますと、今回の首脳会談は「三つの初」を達成しました。これは中米首脳にとって3年ぶりの対面での会談であり、バイデン大統領の就任後、初めて中国の指導者と対面で行われた会談でもあり、中米両国がそれぞれ今年の国内の重要な議事日程を終えた後に行われた初の交流でもあるということです。会談は双方が事前に定めた予定時間をオーバーして3時間以上も続き、しかも同時通訳を介して行われました。両首脳の会談は全面的かつ踏み込んだものであり、建設的かつ戦略的であったとのことです。

 王外交部長は会談の成果について、「今回の首脳会談は一つの方向性を明確にし、一つの枠組みを確立し、一つのプロセスをスタートさせた。つまり、中米関係がレールを外れて制御不能に陥るのを防ぎ、二つの大国が正しく付き合うあり方を探し求めようということだ。首脳外交は外交の最高レベルで、両首脳は中米関係の指導原則を確立することの重要性で一致した。習主席は会談で、『双方は歴史、世界、国民に対して責任のある態度に基づき、中米関係が正しい針路に沿って進むよう努力し、針路から外れたり、失速したり、さらには衝突したりすることがないよう、最善を尽くさなければならない』と呼びかけた。一方、バイデン大統領は会談で、『中国が安定し成長することは米国と世界の利益に合致する』と述べた」と紹介しました。

 台湾問題について王外交部長は、「台湾は中国の一部であり、台湾問題は中国の内政である。中米間で台湾問題を取り上げて話す理由は、米国が中国の内政に干渉したからだ。われわれの要求は非常にはっきりしている。つまり中国の内政に対する干渉をやめ、中国の主権と領土保全を尊重することだ」と伝えました。

 さらに、「習主席は会談で、『中国は平和統一、一国二制度という基本方針を堅持しつつ、平和統一の展望を得るために最大の誠意を尽くし、最大の努力を払うが、仮に国家分裂防止法で規定する三つの深刻な状況が生まれた場合、中国は法に基づいて物事を処理する。台湾海峡の平和と安定を確保したければ、台湾独立に断固反対し、それを抑止しなければならない。台湾問題は中国の核心的利益の中心であり、中米関係の政治的な基礎中の基礎であって、米国が越えてはならないレッドラインだ』と明らかにした」と語りました。

 これに対し、バイデン大統領は、米国は「一つの中国」の政策を堅持して「台湾独立」を支持せず、「二つの中国」や「一つの中国一つの台湾」も支持せず、台湾問題を中国封じ込めの道具にすることは求めないとの考えを改めて示したということです。

 また、中米関係について、王外交部長は、「事実が繰り返し証明しているように、中米関係のすべてを簡単に『競争』で定義してはならない。中米両国にとって最善の選択は協力である。中米の協力は各国にとっても有益であり、中米双方のウィンウィン、世界の共栄という未来を切り開くものだ」と期待を寄せました。

 王外交部長の紹介によりますと、両首脳はさらに、ウクライナ問題、朝鮮半島の核問題を含む国際問題や地域問題についても踏み込んだ意見交換を行いました。ウクライナ問題について、習主席は対話と交渉による危機の平和的解決が当面の急務であることを強調し、「核兵器を使ってはならない。核戦争を発動してはならない」とした上で、「ユーラシア大陸に核危機が生まれることを防ぐと共に、グローバルな産業チェーン・サプライチェーンを安定させ、人道主義に対するより大規模な危機の発生を防がなければならない。中国は一貫して平和の側に立ち、引き続き交渉と対話を促していく」との考えを示しました。

  そのほか、会談では、米国がブリンケン国務長官の早い時期の訪中を求め、中国は歓迎の意を表しました。両国の財政・金融・経済貿易部門の関係者もマクロ経済政策、中米経済貿易関係などの問題について意思疎通と協調を行う予定です。今回の会談は総じて予期の目的を果たしたと王外交部長は評価しています。(Lin、坂下)

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