北京
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今年に入って、原子力エネルギーによる暖房供給は中国の多くの地域で始まり、住民に暖房サービスを提供しています。
中国東部の沿海部に位置する山東省の海陽市では、「暖核1号」原子力暖房プロジェクトがこのほど低温試験稼働を開始しました。これは中国国内における最大の原子力暖房プロジェクトでもあり、都市部の500万平方メートル近くをカバーし、20万世帯の住民に暖房サービスを提供できます。
海陽市の「暖核1号」原子力暖房プロジェクト
一方、東北部の遼寧省大連市では、紅沿河原子力発電所の原子力暖房モデルプロジェクトがすでに稼働しました。同プロジェクトは中国東北地区における初の原子力暖房プロジェクトであり、計画熱供給面積は24万2400平方メートルで、現地の2万世帯近くの住民に冬の熱供給を行います。
また、東部沿海部・浙江省の海塩県では、中国南方初の原子力暖房モデルプロジェクトである秦山原発の原子力暖房モデルプロジェクトが建設中で、2025年末までに完成し稼働する予定です。それにより、約400万平方メートルに熱供給ができ、標準石炭使用量を年間約2万4600トン削減できると見込まれています。
原子力を熱源とする暖房供給とは、原子力発電所で海に排出していた熱を、専門的な熱交換処理を通じて、熱供給パイプを経由してユーザーの家に運び、余分な熱を無駄にしない仕組みとなっています。これは原発の熱効率を高めるだけでなく、原子力の全体利用率の向上にもつながるとされています。(閣、野谷)