中国の科学者ら、エンケラドスの氷の下の海にリンが豊富に含まれる可能性を示唆

2022-10-10 14:39:29  CRI

 中国科学技術大学の郝記華研究員はこのほど、米サウスウエスト研究所(SwRI)のクリストファー・グレン(Christopher Glein)研究員らと協力し、土星の第2衛星エンケラドスの海水を化学的に模した環境を構築し、エンケラドスの海水中に、潜在的な微生物の誕生と繁栄を支えられる豊富な溶存態ホスファゲン(高エネルギーリン酸化合物の総称)が含まれていることを発見しました。関連の研究成果は「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載されました。

△エンケラドスの海水と地核岩石の置換交代により大量のホスファゲンが放出されるイメージ図 

 エンケラドスは土星の比較的小型の自然衛星で、表面は厚い氷に覆われています。2005年に、NASAの土星探査機「カッシーニ」がその南極地域で初めて粗粒子または結晶質の水氷を撮影し、氷の下に海水が存在することを確認しました。その後、「カッシーニ」がエンケラドスの水氷をすくい上げて化学成分を分析した結果、Na+、K+などの無機塩やC1-C6の有機物など、豊富な無機および有機組成物が存在していることが証明されました。 

 郝記華氏を初めとする国際協力チームは、「カッシーニ」の公開データの研究を通じて、エンケラドスの海水に比較的大量の溶存態リンがあることを初めて明らかにしました。また、従来の研究成果と結び付け、エンケラドスの海水には生命の誕生と微生物の生存を助長する6種類の元素が豊富に含まれていることが明らかになりました。(ZHL、坂下)

 

 


ラジオ番組
KANKAN特集