中国の複数大学で科学専門家が学長に

2022-06-10 12:10:18  CRI

 中国の各大学では最近、頻繁に人事異動が行われ、学術分野で成果を上げている専門家たちが大学の学長になる、「院士(中国科学院および中国工程院の会員のこと)学長」の誕生が注目を集めています。

 7日、中国工程院の王樹新院士は重慶大学(中国北西部)の学長に任命されました。王院士は機械設計・製造が専門で、長年にわたってフレキシブルシステムと、その海洋・医療・製造設備における応用を研究しています。王院士が率いて研究開発した「器用な手先」という名の低侵襲手術ロボットシステムは中国国内で初の内視鏡手術製品登録証明書を獲得しました。また、王院士がリードする「ウミツバメ」シリーズの水中グライダーは潜水深度1万619メートルの世界記録を打ち立てました。

重慶大学の王樹新学長

 また、同じく中国工程院の院士で、レーダー情報処理専門家の龍騰氏は5月30日、北京理工大学の学長に就任しました。龍院士は長年、スペース・レーダー情報処理に関する基礎科学研究に携わっていました。

 5日、中国中部の河南省の名門校2校がそれぞれ院士学長を迎えました。2名はいずれも中国科学院の出身で、分子生理学専門家の李蓬院士は鄭州大学、化学工程専門家の張鎖江院士は河南大学の学長に就任したとのことです。

 近年、中国では院士が学長へと転身することは珍しくありません。2月には中国石油大学勝利学院が新設した山東石油化学工業学院が発足しましたが、学長は石油化学工業の専門家で中国科学院の徐春明院士です。同じ2月には、電子学の有名な専門家で中国科学院の毛軍発院士が中国南部の深セン大学の学長に就任しました。4月には、精神病と臨床心理学の専門家で、北京大学第6病院の院長を務める中国科学院の陸林院士が山東第1医科大学(山東省医学科学院)の学長に就任しました。

 科学専門家の大学学長就任は人々から大いに期待を寄せられる一方、中国の大学が世界の科学技術の最先端に立ち、科学と教育の融合を加速させ、戦略的・系統的・未来志向の研究を行うという理念をも表しています。(殷、坂下)

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