【観察眼】なぜ、感染症抑制には「動的ゼロコロナ」を揺るぎなく堅持すべきなのか

2022-05-11 09:31:40  CRI

 現在、世界の感染状況は依然として高水準で維持され、ウイルスは引き続き変異しており、感染状況の最終的な行方にはまだ大きな不確実性が存在している。一方、中国の感染状況は全体としていくらか好転しているが、複雑で厳しい状況にあり、時折リバウンドしている。このほど開かれた北京市新型コロナウイルスによる肺炎の感染予防・抑制活動に関する記者会見で、北京市疾病予防抑制センターの彭星火副主任は、「北京の新型コロナウイルスによる肺炎の新規感染例は依然として高水準で推移している。まだ散発的な感染例があり、感染症との戦いは膠着状態にある」と説明した。

 今回の感染症を受け、北京市は全市規模のPCR検査を複数回にわたって展開した。それに加えて、感染症が深刻な区での在宅勤務、外食や人的移動への制限などの措置を講じて「動的ゼロコロナ」を目標に各対応措置が着々と進められている。

 しかし、日本メディアを含む一部の海外メディアは、中国の「動的ゼロコロナ」の防疫政策を疑問視し、人権侵害だと主張する日本メディアもある。

 実際、揺るぎなく「動的ゼロコロナ」の総方針を堅持するのは、まずオミクロンウイルス拡散の特徴によって決定される。WHOによると、新型コロナ感染症による全世界の死者は、2020年と2021年で約1490万人だった。現在、世界の感染状況は依然として高い水準にあり、オミクロンの蔓延速度はインフルエンザウイルスよりも速く、特に少年児童、高齢患者、基礎疾患がある人など、特殊な人にとって深刻な脅威となっている。中国の60歳以上の人口は2.67億人に達し、小児人口は2.5億人を超え、こうした年齢層の人口規模は大きい。「動的ゼロコロナ」を堅持し、厳格に抑制してこそ、大規模な感染による医療資源の「取り付け騒ぎ」を避け、数多くの高齢者や基礎疾患のある人などの死亡を予防することができる。

 また、オミクロンに対する認識が不十分で、「大型インフルエンザ」とみなす人もいる。実際のところ、専門家によると、オミクロン変異株はインフルエンザではなく、インフルエンザとは明らかに異なるとしている。まず、伝播速度がインフルエンザウイルスより速いだけでなく、隠匿性もより強い。具体的に言えば、感染経路がたどりにくく、無症状や軽症の感染者が多くなるため、大規模な感染拡大発生の可能性が高い。そのうえ、オミクロン変異株は全体的にインフルエンザよりも死亡率が高く、デルタ株などより再感染しやすい。日本メディアによると、多くのオミクロン感染者は治療を受けて退院した後も倦怠感、脱毛、記憶力の減退、関節痛などの後遺症の発症を報じている。そのため、感染症が抑制されてこそ、生命と健康に確かな保障を提供し、正常な生産や生活に有利な条件を作り出すことができる。

 いずれにせよ、新型コロナウイルス感染症と闘うにはその複雑さと困難さを深く認識して、思想を麻痺させ、気を緩めるなどの問題を断固として克服し、常に冷静な頭脳を保ち、揺るぎなく「動的ゼロコロナ」の方針を堅持することこそが感染症抑制のカギとなる。(日本語部論説員)

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