4月5日 火曜日

2022-04-05 22:07:27  CRI


4月2日 玉淵潭公園(撮影:王小燕)

 4月5日は二十四節気の清明。中国では今日は清明節三連休の最終日です。北京は百花繚乱の春です。放送局の中庭には今年も、長野のリスナーさんから寄贈されたソメイヨシノが美しい花を咲かせています。北京市内の桜の花見名所玉淵潭公園では、花見客でにぎわっています。


4月5日 CRI中庭のソメイヨシノ(撮影:張保力)

 今日の番組のメニューは以下です。

▼【スペシャル企画】「漢詩で見る清明節」、唐代の詩人・杜牧(803~約 853)が安徽省池州府で刺史を務めていた間に書かれた「清明」をご紹介します。

▼【CRIインタビュー】高齢者の自立支援をめぐり中日オンライン交流会開催

 先日、中国と日本をオンラインで結んで開かれた高齢者の自立支援がテーマの交流会での取材をお届けします。

 浙江省寧波市寧海県に拠点がある日系企業の呼びかけで、中日双方の高齢者福祉の現場で活躍する関係者が参加したこの交流会は、4年前から、寧海県で開かれた桜祭りの一環として開かれ続けてきたものです。今年はコロナ禍で桜まつりの実施が見送られましたが、主催者の熱い思いで「高齢者の自立支援」と「農村部の高齢者ケア」にフォーカスした交流会がオンラインで無事開催されました。


安徽省池州市にある杏花村(資料写真)

2022年4月<今月の特別寄稿>

東京都 イタズラ爺さん・奥田正彦さん(86歳)

 今月の詩句印は、陸希聲の『茗坡』から「惜取新芽」を選びました。この詩は、『陽羨雑詠』の中の一首です。陽羨といえば、唐代三大茶のひとつ、陽羨茶(江蘇省)を産したので有名です。作者陸希聲は、はじめ陽羨に隠棲していたので、近くに茶の木はたくさんあったのでしょう。ちなみに詩題の「茗坡」とは茶畑のことです。茶の新芽を摘んですぐに飲めるなんて、羨ましいかぎりですね。

茗坡 
(晩唐)陸希聲

二月山家穀雨天
半坡芳茗露華鮮

春酲酒病兼消渇

惜取新芽旋摘煎 

茗坡(めいは) 
陸希聲(りくきせい)

二月 山家(さんか)穀雨の天
半坡(はんぱ)の芳茗 露華 鮮(あざ)やかなり

春酲(しゅんてい)酒病と消渇(しょうかつ)と

新芽を惜しみ取って 旋(たちま)ち 摘んで煎(に)る 

 【詩の内容】陰暦二月の末、穀雨のころの山家(やまが)では、岡の半ばをおおう茶に露の玉が光る。春酒のふつか酔いは、酒の中毒と糖尿病のせい。たいせつに新芽を摘んで、さっそく茶をいれる。

 中唐の詩人・盧仝(ろどう)が著した『走筆謝孟諫議寄新茶(筆を走らせて孟諫議に新茶を届けていただいた感謝を述べる)』の中に、七碗茶歌とも呼ばれる部分があります。概要は、一杯目で喉が潤い、二杯目で煩悩が除かれる。三杯目のお茶は、文才のない私の腸にしみわたり、経論五千巻が詩文を蘇えらせてくれる。四杯目は軽い汗となって発散し、日頃の不平不満が毛穴から抜け出ていく。五杯目で肌と骨が清らかになり、六杯目を飲む頃には仙人になった気分になれる。七杯目はもはや飲む必要がないくらいで、ここまで来るともう、両脇から爽快な風が吹き抜け新しい気分が生まれるのを感じる、と、いうものです。

 たいせつに新芽を摘んで、さっそく茶をいれたという陸希聲のお茶は、どのようなお茶だったのでしょうか。

 陽羨茶の碧螺春も陽羨雪芽も、ぼくは大好きです。


北京スケッチ(紫金草こそ二月蘭天が咲き誇る寧寺付近の川辺、4月4日、平文智撮影)

<お便りありがとう!>

★北海道石狩市の上田知晴さん

 先日のCRIインタビュー、西村先生のお話、大切なキーワードがびっしり詰まっていましたね。「偏見ではなく正しい理解」「世界の工場から世界の市場へ」、中国の高度経済成長を理解する上で貴重なキーワードだと思っています。日本の高度経済成長とは違った爆発力と持続力を持つ中国の高度経済成長。ここに学ぶことは多々あります。日本は安定成長期に入ったからこそ中国の持続力を学ばねばなりませんし、その鍵こそが「工場から市場」なのだと思います。そこに潜む持続力を見極めるためには正しい理解で中国と中国の皆さんを見なければなりませんでしょう。現場にいて現場を見ていらっしゃるからこその貴重なお話。ありがとうございました。正しく見つめて正しく理解して明日の糧にしていきます。

★宮崎県のD.Dさん

 「私の北京オリンピック実体験」交流会。馬場氏の長いお話の中で最も興味深かったのは「“一起向未来”は一つの未来像の提示ではなく、幾つも未来像があって良い」との指摘。これは重要で有益なお話でした。

 北京大学ボランティアスタッフのコメントは、日本語の流暢さも感心ですが、優等生らしく要領よく簡潔にまとめた話が爽やかで好感が持てました。

 【D.Dさんの九州桜だより】


宮崎県都城(みやこのじょう)市内の桜(3月下旬撮影)

★高知県四万十市の杉村和男さん

 CRIインタビューでの馬場公彦さんの造詣の深い話、大変興味深くお聞きしました。今回のオリンピックでは、スローガンに「共に未来を目指そう」を掲げ、中国だけでなく、世界中の国、人々と共にというところが素晴らしかったと思います。

 朝日新聞記者のお話、取材を通して、中国の方々のご厚意を実感されたようですね。そのうえで、今は新型コロナウイルスで自由に行き来できませんが、中日両国の若者がそれぞれ実際に往来して、生で体験することの重要性は絶対にあると思います。こうやってリスナーとして、やりとりしているだけでも全然違いますし、私が興味の中心としている植物に関しても、体で覚えることの重要性を実感しています。

【杉村さんの四国桜だより】


愛媛県西予市宇和町明間(せいよし うわちょう あかんま)の桜。「雪洞も付けられていますが、新型コロナの影響で、花見客は少ないですね」(4月2日撮影)

愛媛県西予市宇和町明間・車田橋付近の桜。【右手は陽光桜、染井吉野より、1〜2週間早く咲きます。 陽光桜は現、愛媛県東温市出身の、高岡正明氏により、作出された桜です。氏は戦時中、教員で、「日本は神の国だ。戦争に絶対勝つ」と誤った教育をして、多くの教え子を戦場に送り、戦死させてしまう結果になってしまいました。高岡氏は「自分が殺した」と自らを責め、生徒達の冥福を祈り、鎮魂の桜として生まれたのが、この陽光桜です。「もう二度と 戦うまいと 誓いたる 思いをこめた 陽光桜」】(4月2日撮影)

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