安倍総理大臣と一部の与党議員は、1日、「強制的に行われたことを裏付ける証拠はなかった」という口実で、第2次世界大戦中、旧日本軍が従軍慰安婦を強制的に連行した事実を否定しようとしました。日本政府のこの立場はアジア諸国の強い警戒心を引き起こさずにはいられません。
1993年、日本の当時の河野洋平官房長官は談話を発表し、第2次世界大戦中、日本軍が従軍慰安婦を強制的に連行し、多くの女性の名誉と尊厳を損なったことを認め、謝罪しました。それ以後、河野洋平官房長官の談話は従軍慰安婦問題についての日本政府の基本的な立場となりました。
しかし、その後、14年経たない今、日本の中山成彬元文部科学相をはじめとする一部の自由民主党メンバーは「証拠資料が見つかっていない」と言う口実で、「軍や官憲による従軍慰安婦の強制連行はなかった」と弁護しました。また、日本のイメージを損なうという理由で、河野官房長官談話の見直しをするよう日本政府に求めています。安倍総理さえも、1日、「旧日本軍によって強制的に行われたと裏付けるものはなかった」と述べ、去年10月に表明した河野官房長官談話を継承する立場を改めました。
この外、今、日本政府と与党は、アメリカ下院に提出されている、従軍慰安婦問題で日本政府に謝罪を求める決議案の採択を国内外の力を借りて阻止しようとしています。こうしたことから分かるように、日本の一部の政治家にとって、歴史の客観性や真実はどうでもいいことであり、歴史事実を認めるかどうかは政治的な必要に応じて決めることで、国のイメージを作るために歴史事実を歪曲するのも厭わないということです。しかし、人間にとって大事なのは誠実さであり、移り気ではありません。国家についてはいうまでもないことです。
第2次世界大戦中、従軍慰安婦制度によって、少なくとも40万人の女性が日本軍の性奴隷となり、被害を受けた女性の人権はひどく踏みにじられ、世界の女性の歴史の中でも最も痛ましい一頁であると見られています。
国連人権委員会は1996年と1998年にそれぞれ関連報告を可決し、「従軍慰安婦制度は現代社会の計画的な強姦であり、性奴隷の行為である。これに対し日本政府は責任を逃れることができず、被害者に賠償を行う必要がある」としました。
従軍慰安婦制度は争えない事実であり、今、日本指導者と一部の与党議員がこの歴史事実を公に否定したことは被害を受けた諸国の国民の感情を著しく傷つけました。
中国外務省の秦剛報道官は1日「歴史問題を適切に処理することは中日関係の健全で安定的な発展の鍵となる」と述べました。同じ日、韓国のノムヒョン大統領は「韓国側は韓日関係を進めようとするが、日本側は歴史尊重の原則に基づいて従軍慰安婦や靖国神社参拝などの問題で誠意ある行為をとるべきだ」と指摘しました。
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