今年は中日国交正常化35周年にあたり、中日関係は節目の大事な年を迎えます。
加藤紘一議員
中国国際放送局東京支局の張国清支局長が春節の前に、嘗て自民党の幹事長を勤め、中国通の衆議院議員加藤紘一さんを訪ね、現在の日中関係などについてお話を伺いました。
去年安倍総理大臣が就任後、予想に反して就任後最初に訪れる国として北京に行った。大変よかったと思います。その背景にはいろんなことが取りざたされていますが、去年12月18日に北京に行って、唐家センさんと会ったときに話しましたけれど、両方の外交当局が大変な努力をしてこの路線を引いた結果だと思います。もちろん安倍さん自身がまだ色々対中関係改善の基本的な歴史認識とかなどについてまだ多くのことを話しませんけれど、しかし、非常に重要な第一歩が踏み出されたといっていいと思います。その後の発展は、例えば朝鮮の核実験の大事件もありましたし、その後の6者協議における中国の活躍もあって、今日本と中国の間は大変大きな共通のテーマを、互いに語り合っているいいプロセスに入ったと思います。日本語はよく、小さく生んで大きく育てると、子供が生まれる時に小さいほうがお母さんの負担にもならない。しかし、生まれてからどんどんすくすく大きくすればいいんだと言うことばが日本語にあります。中国語にはあるかどうか知りませんけれどね。
今年は中国と日本が語り合ういいプロセスに入ったと加藤さんが語りましたが、ところが、両国の間にはまだ避けて通れない問題が多く存在しています。それについて、またどういう考えをお持ちでしょうか。
日中間にすべての問題が解決したかと言うと、それは当然のことながら多くの問題が残っていると思います。これだけ大きな経済交流もありますから、それから海を隔てているとは言っても交流の歴史が長い日中の間ですからいろんなことがあります。尖閣島(中国の釣魚島)のことがありますし海底油田の問題もある。貿易の面でこれからいろんなことが起きてくる可能性があります。しかし、それはどんな国との間でもあることです。日中の間で一番考えなきゃならないことはただ一つ、戦争前の歴史をどうお互いに考えるかということだと思います。私は1915年対華21か条要求から終戦1945年までの歴史はやはり植民地な政策を日本が取ったんで、その点について迷惑をかけたと言う認識をしっかりもてば、中国もそういう認識でいってくれればいいんだと言う風にいい関係ができるとおもいますから、日本にとって最大の問題は歴史総括であることには変わりはないと思います。そこがしっかりしないと靖国問題が大きな政治問題になっていくじゃないかと思います。
今年に入って、中国指導者の訪日は話題の中心になっています。加藤さんはまたどのようなご期待を持っているのでしょうか。引き続きお話を伺いましょう。
温家宝さんがこれから来ますね。まだはっきり決まっていないようですが、是非訪日を成功させていただきたいと思います。経済についても造詣の深い中国の指導者ですから、日中経済問題もよく話し合ってもらいたいですね。できれば北東アジアの平和と安定、特に核のない北東アジアをこれからどうやって作っていくかについて率直な話し合いができて、そしてできれば近い将来胡錦涛さんの来日に繋げてもらいたいなと思っています。
さて、もうじき新年ですね。三四日たったら一緒に中国の新年・春節をお迎えしましょう。最後に中国国際放送局の聴取者の皆さん、新年おめでとう。
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