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日本人スタッフのつぶやき122―『北京の冬の寒さ』

2012-02-06 10:01:31     cri    
 北京で初めての旧正月『春節』を迎えた志摩です。今回は「北京の冬の寒さ」について書きます。

 まだ秋の頃、中国人スタッフ5人に「北京の冬ってすごく寒いって聞いたけど実際はどう?」って聞きました。すると、4人が『とても寒いです!』「半端じゃない寒さですよ!」と答え、一人が『たいしたことないですよ』と答えました。そういう時は、多数決の原則に従って、4人の意見に耳を傾けたほうが正解だということが、冬になって分かりました。

 実は私は、北京に来る前は北海道の旭川に住んでいたので「北京が寒いと言っても旭川に比べれば!」と内心思っていました。事実、1月の最高気温と最低気温の平均を比べると、

 最高,最低気温とも旭川の方が8度以上低いのです。所が、実際は北京のほうがはるかに寒く感じます。北京の寒さは足元からどっと攻め上ってくるような寒さで、旭川では、ズボン下をはかなかった私が、北京ではズボン下が必需品になっています。

 最初私は、この寒さは風の違いかと思いました。一般に風速1メートルの風で、体感温度は1度下がるといいます。旭川は盆地で、冬ほとんど風が吹きません。北京は比較的風の吹く日が多いんです。でも、風の吹かない日も「寒い!!」。そこで私は始めて「この寒さには湿度が関係しているのでは」と思い当たりました。調べてみると、湿度が10%下がると体感温度は1度低くなるんだそうです。「北京の寒さは大陸的!」と北京にいる日本人がよく言うのも、この湿度が関係しているのだと思います。

 北京の『乾燥度』は半端ではありません。秋から冬は、雨も雪もほとんど降らないため、特に空気が乾燥します。部屋の換気をすると、室内の湿度はあっという間に、20%以下になります。「北京で初めての冬です」という話をすると、ほとんどの人が「ここはとても乾燥しているので、水分をこまめに十分補給してください」とアドバイスをくれます(日本で、挨拶代わりにそんな話が出る土地は、まずないと思います)

 北京でほんのたまに降る雪は、水分が少ないため、とてもゆっくり落ちてきます。そして地面に落ちたときには、乾燥した「雪の殻」になっています。公園では係りの人が竹箒ではき集めています。はき集めた雪はいつまで経っても、融けません。その様子は「雪」ではなく水分を失った「雪の殻」が積もっているように私には思えるのです。

 そんなわけで、こまめな水分補給と家の中の加湿は北京では欠かせません。タクシーや、バスの運転手さんも手元に水筒を置いていて、こまめに水分補給をしています。

 我が家でも、部屋ごとに加湿器を置いて、一日中加湿しています。

 でも、中には、そういうことから超然としているスーパーマンもいます。日本人スタッフの大野さんです。もう中国生活8年になりますが、「最初の年は加湿器を置いたけど、使っても、使わなくても変わらないので2年目からは使っていません」と平然としています。スーパーマンといえば、大野さんは冬になると足元まであるダウンコートを身に着けます。何でも、中国のとても寒いところを取材したときに買った、とてもかっこいい黒のダウンコートです。私はそのコートを見ると、なぜか映画の「マトリックス」を思い出してしまいます。でも、大野さんを見ると、なぜか、映画『三丁目の夕日』を思い出してしまいます。『閑話休題』‥

 さて、旧正月の「春節」が始まる前日の大晦日は、街のいたるところで爆竹が鳴り、花火が打ち上げられて「花火のワンダーランド」でした。

 広い通りのいたる所で、めいめいが好き勝手に花火を打ち上げます。日本の、おもちゃのような花火と違って、こちらの花火は打ちあがる高さこそせいぜい20メートルぐらいですが、日本の花火大会の花火に引けをとらない、様々な種類の花火が連発で次々と打ちあがる優れものです。街の通りのあちこちに、臨時の花火屋さんが店を開いていて、人々はそこで爆竹を買ったり、一抱えの段ボール箱ほどの大きさの「豪華絢爛!超連発花火」を買うのです。

 その花火を、人々が好き勝手に、通行人のことなど全くお構いなしに打ち上げるので、

 360度が「3Dサラウンド」の凄い迫力の花火ショーです。頭のすぐ上にまで、燃えカスが落ちてきて、「ここは花火の戦場か!」とあっけにとられる臨場感です。事実、花火で怪我をする人もいて、この夜、北京市内には、眼科のお医者さん十数人が待機するんだそうです。爆竹の迫力ある音と、打ち上げ花火のあめあられ!日本では、消防法、騒音防止条例、その他もろもろで、決して見る事のできない北京に来て、間違いなくナンバーワンの「ワンダーランド」でした。

 そして、私が笑ってしまったのは、花火や爆竹の音に反応して、近くの何台かの車の防犯装置が一斉に作動することです。花火が『バーン!!』すると、車のライトが一斉に点滅同時に「ヴオーンヴオーン」というような車の警報音が鳴り響くのです。花火と車のコラボレーションには、なんともユーモラスな味わいがありました。

 ちなみに、我が家のマンションの駐車場に花火の音にとても敏感な車が1台あって春節の期間鳴り響く花火の音に、律儀にずっと反応していました。この車の持ち主が春節が終わり、田舎から帰ってくるときには、きっとあの車のバッテリーは上がってるだろうなと、心配しています(この原稿を書いた2月3日時点で、春節は、まだ終わっていません)

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