運転手の手の先にある白い小さな箱は、乗車料金を入れる金庫。
遊園地内を入るかわいらしい車のよう。
歩いて10分ほどというのは、さほど遠い距離ではありませんが、夏の照りつけるような日差しの中ではなかなか厳しい。通勤ラッシュで人がひしめく電車を降りてほっとしたのもつかの間、今度はうだる暑さの中での歩き。(北京は5時過ぎでもとっても暑い!)家までが何と遠いことか。
こんな状況を知ってか知らずか、この歩いて10分の距離を走るシャトルバスが登場しました!エコを意識してか電気自動車です。
これがまた最新技術のわりには、なんだか時代を感じるアットホームな車体です。
乗車する時は、規定の場所で待つか、客が少なければ手を上げれば止まってくれます。
料金は1回1元。 通常のバスには0.4元で乗れることを考えれば、この短距離を1元で乗車というのはけっこう高めな気がします。
が、やはりこの距離をつらいと思っていた人は多かったようで、朝夕の通勤時には人が並ぶほどの人気ぶり。
しかし、この車にも難点が。
小さな車体には一度に7 人ほどまでしか乗れないのです。しかも、あまりにも乗車人数が少ない時には人が来るまで待ち続けます。
ちょうどいい乗車のタイミングがなかなか難しい。
人が並んでいるのを見ると「座れないかも」と心配になり、車がまだ着いていないかったり、あまりにも人がいないと「待っている時間に歩けば家に着いちゃうかも」なんて考えてしまい、結局徒歩で帰ってしまうのです。
時折、シャトルバスに追い抜かれ、涼しげな顔で乗っている乗客をうらめしく思ったりし、「歩いたほうが運動になるもんね」と負け惜しみまでつぶやきながら、今日も歩いています。(吉野綾子)
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