いよいよ始まる春節の映画商戦ではアクション映画『新少林寺』が注目を浴びています。同作品は、香港の陳木勝(ベニー・チャン)が監督、ジャッキー・チェンがプロデュースを務め、アンディ・ラウ(劉徳華)、ニコラス・ツェー(謝霆鋒)、ファン・ビンビン(范冰冰)ら豪華キャストが顔をそろえています。
1980年代に中国でカンフーブームを生み出したジェット・リー(李連傑)主演の『少林寺』のリメイク版と捉える人も多いのですが、新たな工夫が楽しめる斬新な作品としても期待されています。
19日の劇場公開を前に、同作品の裏話を一挙にチェックしてみましょう。
剃髪に挑戦するアンディ・ラウ(劉徳華)
悪役を演じるニコラス・ツェー(謝霆鋒)
裏話①ロケ地は本場・少林寺ではない!?
陳木勝(ベニー・チャン)監督によりますと、映画に登場した寺は中国河南省内にある本物の"少林寺"ではないそうです。そこは、撮影のために4カ月かけて中国浙江省に作った「瓜二つ」のセットで、その建造には2000万元(約2億4000万円)を使ったということです。
セットのデザインには張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『王妃の紋章(原題:滿城盡帶黃金甲)』(2006)で第79回米アカデミー賞の最優秀デザイン賞にノミネートされた奚仲文(イー・チュンマン)が起用されています。寺の建造にはスタッフ150人以上が当たり、中国映画史上初の試みだったということです。奚仲文(イー・チュンマン)は屋内の大仏や門前の古木のデザインまで拘るなど人一倍の工夫を凝らしています。また、寺内のタイルも文化財といえる明代から保存されてきたレンガを使ったので、本人も「本物の少林寺よりも高そうだ」と冗談交じりに話しています。
本物の少林寺を再現した"セット"
裏話②ファン・ビンビンがアンディにびんたを食らわす!?
『墨攻』(2006)、『未来警察』(2010)以来、この作品で3度目の共演となるアンディ・ラウ(劉徳華)とファン・ビンビン(范冰冰)。再び夫婦役を演じるこの2人はより息が合った演技を見せてくれることでしょう。映画の中で、愛娘を失ったファン・ビンビン演じる妻役はアンディ・ラウ演じる夫役に八つ当たりし、びんたを張るワンシーンがありました。ファン・ビンビンは「撮影の本番に臨むときは、アンディから見せかけの演技じゃなくて、本気で叩いていいと言われた。NGもあって、結局何度も本気で叩いた。後から気づくと、手のひらも赤くなってしまった」と当時のエピソードを振りかえり、アンディへの「すまない」気持ちも覗かせていました。
アンディ・ラウ(劉徳華)と三回にわたって競演を
果たしたファン・ビンビン(范冰冰)
裏話③若手俳優の主演シーンを一部カット!?
チェン・カイコー(陳凱歌)監督の『花の生涯(原題:梅蘭芳)』(2009)で青年期の梅蘭芳を好演し、脚光を浴びている若手俳優・余少群(ユィ・シャオチュン)は、今作では僧侶役で出演していますが、若手女優・白氷(バイ・ビン)演じる女性役との恋愛など一部の出演シーンがカットされることが、監督の紹介で分かりました。監督は「好きなシーンはおよそ4時間のものもあった。あまりにも長かったので、アクションシーンを中心に完パケに収録しておいた」と説明しました。(コオリ・ミン)
『花の生涯(原題:梅蘭芳)』やNHKドラマ『蒼穹の昴』で
主演、若手俳優の余少群(ユィ・シャオチュン)
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