台湾の「癒し系」歌手・阿桑(ジュディーことアーサン)が6日朝8時半、乳がんのため、台北にある新店慈済病院で息を引き取りました。去年10月の検診で末期の乳がんを患っていることが分かっていました。享年34歳でした。
個人的に大好きな歌手なので、残念でなりません。ご冥福をお祈りします。
阿桑(アーサン)は、デビュー前バーで歌っていた経験があり、歌唱力に定評のある実力派シンガー。デビュー以降、2枚のアルバムを発表しており、「葉子」「寂莫在唱歌」などのヒット曲を世に送り出していました。
阿桑(アーサン)は1975年2月28日に台湾で生まれ、若いころは、生計を立てるため、弁護士事務所の電話交換手やデパートのウグイス嬢といったバイトをした経験もあります。その後、バーで歌っていたとき、レコード会社にスカウトされ、念願の歌手デビューを果たしました。ブレイクのきっかけは、2003年にりリースしたアルバムの収録曲「葉子」という曲。この曲は、S.H.Eやジョセフ・チェン(鄭元暢)出演のドラマ「薔薇之恋~薔薇のために~」の挿入歌として起用されました。ドラマのOAに伴い、この曲が大ヒットし、阿桑(アーサン)の名前も広く知られるようになりました。
フォークソングやバラード曲を中心に発表してきた阿桑(アーサン)ですが、声域が広く、そっと語りかけるようなウィスパーヴォイスが特徴で、癒し系の歌手と呼ばれることも多いようです。2004年、阿桑(アーサン)はファーストアルバムで、台湾のグラミー賞に当たる第15回金曲賞の最優秀新人賞にノミネートされました。
大ブレイクを遂げたあと、阿桑(アーサン)は2005年1年半ぶりとなるセカンド・アルバム「寂莫在唱歌」をリリースしました。このアルバムでは、前作の「悲しいラブソング」路線を続けたほか、女らしさも強く出しています。タイトル曲の「寂莫在唱歌」のほか、時代劇ドラマ「仙剣奇侠伝」の挿入歌「一直很安静」もヒットとなりました。このアルバムではじめて彼女の歌声に魅了されたファンも少なくありません。しかし、セカンド・アルバムは前作を超えるヒットとなりませんでした。翌2006年に所属レコード会社との契約が終了し、以降、活動拠点を中国大陸に移しました。2008年10月、中国でコンサートを開いた後、体調不良を訴え、検査したところ末期の乳がんであることが発覚したということです。出身地の台湾でしばらく闘病生活を送ってきましたが、この6日朝、息を引き取りました。
彼女の訃報を受け、ファンの間だけでなく、業界内でも「すばらしい歌声だった。残念だ」という声が上がっています。また、マネージャーの話によると、近々新曲のレコーディングに臨むつもりでしたが、残念ながら、ファンの皆さんに届けることができなくなったということです。これからは、後輩で親友の張湘怡(シェーン・チャン)が代わりに歌うことになっているそうです。彼女の儚い人生に捧げるすばらしい作品になれればと思います。(コオリ・ミン)
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