低迷して久しい台湾映画は昨年からようやく盛り返しはじめ、香港映画はいまだ谷を徘徊し続けているが、大陸の映画市場だけはまさに「太陽いつものように昇る」勢いだ。昨年１年間のチケット販売数42億枚はさらに驚かされる。そこで、台湾や香港映画はいずれも大陸市場に参入したいと期待を寄せる。だが、ラジオ・映画・テレビ総局の関連政策を理解していないことから、台湾・香港映画は修正するか、あるいは審査にパスしないかのどちらかを余儀なくされる。

　このほど開かれた「第10回海峡両岸・香港映画監督シンポジウム」で、内地の映画審査委員会の鄭洞天委員とラジオ・映画・テレビ総局の江平・前副局長が映画の内地での「生存の道」について詳細に説明した。総じて言えば、映画審査の面で総局はより開放的になっていくだろう。

一、「C級映画」があると期待してはならない

　負の典型：『救命』『文雀』

　
『文雀』のスチール写真

　鄭洞天委員は、総局がすでに国務院に「映画促進法」を提出したことを明らかにした上で、「映画の級別制度を促進するよう希望するが、促進法は映画を２つの級に分けているだけだ」と指摘。「C級映画」という言葉は負の色彩を備えており、実際、国外では「C級」は本来、わいせつ或いは血腥いといった非規範的な映像の代名詞となっている。従って、香港や台湾の監督も、その他の地区で「C級」に区分けされるテーマの映画が大陸で上映できると考えるにはあたらない。

　例えば、『救命』は、前後それぞれ過度に血腥いシーンをカットされて審査にパスした。杜琪峰の『文雀』も１シーンをカット。板で人を殴る場面で、板の上にある釘がクローズアップされていた。