1月24日は旧暦の師走23日で、中国語で「小年」小さい年として一般に知られています。中国では「小年」の日から春節の準備が始まります。ですから「小年」は春節の始まりと言えるでしょう。さて、今回の中国メロディーは、中国各民族の春節の風俗習慣と音楽をご紹介しましょう。

プミ族の盛大な成人式

　プミ族は中国西南部雲南省の麗江や怒江流域に暮らしています。その祖先はチベット高原で暮らしていた遊牧民族、羌人の一部とされています。プミ族の春節は大年節と呼ばれ、旧暦の12月29日から7日間がその期間です。祝日中、プミ族の人々は祖先を祭り、成人式を行い、狩など様々なイベントを行います。そのうち成人式は大年節の最も重要なイベントです。大晦日の夜、満13歳になる少年少女がいる家庭では盛大な成人式を行います。成人式を終えると少年少女たちはやっと正式な社交活動に参加する資格を持つようになります。

リス族の楽しい「温泉詩歌会」

　リス族は中国西南部・雲南省怒江流域の峡谷地帯に居住しいてます。リス族の「リ」は高貴、「ス」は人または一族を意味します。リス族の人々は主にそばやトウモロコシなどの耕作を生業とし、弓を上手に操る狩猟民でもあります。春節期間、人々は怒江両岸近くに集まって温泉を楽しむ伝統があります。多くの家族は温泉の近くでテントを張りゆっくり楽しみます。また「温泉詩歌会」が行われ、歌手たちが歌と知恵を競い合い、祝日の楽しい雰囲気を盛り上げます。

ミャオ族の美しいラブソング

　中国西南部に暮らすミャオ族は毎年旧正月期間に、ほかの民族とともに春節を祝います。玄関に、縁起の良い言葉が書かれた春聯を貼るなど漢民族の伝統行事を行うほか、闘牛や競馬それに歌垣（うたがき）などミャオ族の伝統行事も行います。歌垣はミャオ族の若い男女が祝日に集まり、互いにラブソングを歌い合うものです。その歌のほとんどが即興で歌われるだけでなく、相手の気持ちを引きつけなければならないため、歌手の技量と教養が必要とされます。

幸福をもたらすユグ族のバターランプ

　中国西北部に暮らすユグ族の人々にとって、春節は一年中で最も大事な祝日です。大晦日から旧正月5日にかけて、ユグ族はテントと家畜小屋の外にバターランプを徹夜で点し、人と家畜の安全を守ると言われています。また、旧正月10日から15日にかけて、皆はきれいな民族衣装を纏いお寺へ行き、仏様のご加護を祈ります。

　番組の中でお送りした曲

　1曲目　過大年(大年節を祝う)

　プミ族の人々が大年節を祝う楽しい場面を描いています。

　2曲目　碧羅雪山（碧羅雪山）

　リス族の民謡を元にアレンジしたものです。

　3曲目　台江県苗族情歌（台江県ミャオ族のラブソング）

　中国西南部貴州省台江県に伝わるラブソングです。

　4曲目　唱乡（故郷を唄う）

　ユグ族の人々が故郷を思う気持ちを表しています。