会員登録

夏のソナタ

2013-06-28 13:41:29     cri    


ナビゲーター 黄競

 6月末の北京は真夏のシーズンを迎えました。真夏と言えば、蝉の元気な鳴き声を思い浮かべますね。昼には蝉が奏でる吹奏楽、夜には蛙たちの大合唱、そして、キリギリスが奏でるセレナーデ、いずれも真夏の美しい風物詩ですね。

 今回の中国メロディーは中国各地の人々が鳥や虫の鳴き声など、この季節の自然に感動して創作した民族音楽をご紹介しました。

 初夏になり、ホトトギスの独特の啼き声が聞こえると、人々は夏の訪れを感じます。そのため、ホトトギスは初夏の到来を告げる夏鳥だと言われます。また、ホトトギスは田植え時の、毎年5月初めに南方から渡来するので、田植えを促す鳥とも言われてきました。

 6月中旬、北方地方の広大な平原地帯では、果てしない麦畑が黄金色となります。中旬に入り、黄金色の麦の穂波は風に揺れ、いよいよ収穫が始まります。この時期は、焼けつくような日差しで、大地全体がまるで燃えるようです。この季節、セミは太陽のラッパ手です。早朝から、「みんな、起きて!早く畑に行こう、一面の黄金を収穫しよう、一年の苦労を収穫しよう」と農民たちを促します。昼、収穫で疲れた農家たちが木影で休憩する時、セミの鳴声は優しくなり、農民に夏の涼しさを感じさせてくれます。

 真夏の7月と8月になりますと、田んぼからカエルの鳴き声がケロケロと盛んに聞こえますね。中国の農村では、蛙は「農作物を守る衛兵」と見なされます。調査によりますと、蛙一匹が年間1万以上の害虫を捕食するそうです。そのため、「立夏に蛙の声が賑やかなら、秋は豊作」という諺もあります。また、今から800年前の宋の時代の詩人辛棄疾には、収穫の季節に農民たちが蛙の声を聞きながら、豊作の喜びを味わう名句があります。「(稲花香里説豊年、聴取蛙声一片(蛙がケロッと鳴いている。稲の花からは香ばしいかおりがし、豊作であることを喜ぶ)」という句です。

 毎年、夏の終わり頃になると、鈴虫やコオロギなど秋の虫達の涼しげな音色が響き渡ります。コオロギの世界では鳴くのはオスだけで、メスはまったく鳴きません。涼しげな音色は、雄が雌に求愛するためのラブソングなのです。番組の中で取り上げたのは「子規声里駐年光(ホトトギスの鳴き声)」「蝉之歌(蝉の歌)」、「蝉声和蛙鳴(蝉の声と蛙の鳴き声)」、「谷穂上的蟈蟈(粟の穂の上で唄うコオロギ)」の全4曲でした。

 1曲目 子規声里駐年光(ホトトギスの鳴き声)

 曲は西洋楽器チェロと二胡や笛などの伝統楽器がうまく融合し、江南水郷の初夏の美しい景色を再現しています。

 2曲目 蝉之歌 蝉の歌  

 この歌は中国西南部貴州省のトン族の「トン族大歌」の名曲です。トン族大歌はトン族の伝統的な合唱形式で、高音、中音、低音が見事に調和し、美しいハーモニーを響かせます。2009年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。トン族の人々が蝉の鳴声を真似て生活の喜びを表しています。

 3曲目 蝉声和蛙鳴(蝉の声と蛙の鳴き声)

 この曲は七弦琴の若手演奏家・巫娜さんが奏でたもので、古筝、ショウなどの伝統楽器と七弦琴の音色が不思議な魅力を放っています。

 4曲目 谷穂上的蟈蟈(粟の穂の上で唄うコオロギ)

 唄は豊作を祝う農民の喜びを表現しました。

 この番組へのご意見・ご感想などがございましたら、ぜひお聞かせください。

 宛先

 〒100040 中国国際放送局日本語部「中国メロディー」係 

 メール nihao2180@cri.com.cn

関連ニュース
関連記事
v 花と蝶々 2013-06-21 12:45:10
v 南 国 の 初 夏 2013-06-14 16:51:36
v 江南の初夏 2013-06-07 10:59:05
v 北国の初夏 2013-05-31 15:15:47
v 牡丹の歌 2013-05-24 10:52:52
v 青春の歌 2013-05-17 15:54:20
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS