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石になった牛

2012-04-18 21:57:29     cri    

 これを聞いてみんなはいやがったが、役人たちは刀や槍を手にしており、仕方なく、どこからか、いくつかの水車を運んできて湖の水をくみ出し、近くの田畑や湖とつながっていない溝などにその水を流した。こうして二十日以上かかってやっと湖の底が見えるようになった。これを聞いた長官はその日、牛を捕まえるのを見るため自ら湖のほとりに来た。

 やがて一番深いところに、かの金の牛が寝そべっているのが見えたので、長官は目を見張り、ニコニコ顔で部下を連れ、牛に近づいた。

 「うっふぉ!これは大してものだ。この牛を皇帝さまに差し上げてれば、きっとお喜びになるワイ、ひひひひひ!」と長官は有頂天。

 こちら牛はこれを見て何事もなかったように知らん顔している。そこで長官は牛に縄をかけて岸辺に引っ張るよう部下に命じた。ところが部下たちが、かけた縄をいくら引っ張っても牛は動かない。これに長官は苛立ち、手にしていた鞭で部下を叩いたので、部下たちもこれはたまらんと必死になって引っ張る。しかし、牛は動かない。長官はこれに目を赤くし怒鳴った。

 「こら!岸辺で見物しとる百姓ども!お前たちもここに来て手伝え!さもないと死罪として首を切るぞ!!はやくしろ!」

 と、このとき、長官のいう意味がわかったのだろうか、牛は急に「モー!」と鳴いた。すると強い風が出て来て、あたりがガタガタ揺れ始めた。これに長官たちはびっくり。これはいかんとそこを離れようとしたが、震えて足が思うように動かない。すると牛は首を振り、大きな口をあけてなんと水を吹きはじめたではないか。こうして水はどんどん増え、そのうちに長官やその部下たちを呑み込んでしまい、いつになっても岸には上がってこなかった。そして水は元通りになり、湖面も静けさを取りもどした。

 さて、このときから、金の牛は二度と姿を見せなくなったが、どうしたことか、のちに雨が降らなくとも、湖の水はあまり減らなかったという。

 そこで人々はかの金の牛を祭り上げ、湖のほとりに高い塔を立て、この湖を「金牛湖」と呼んだわい。

 そろそろ時間のようです。ではリスナーのみなさん。来年もこの昔話を聞いてくださいね。それによいお年をお迎えください。


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