広大な中国の大地は56の民族を育んできました。そして、この大地に生きる各民族と各地域の特色ある音楽は多彩な中国の音楽世界を作りました。優雅な江南地区の伝統音楽や情熱的なモンゴル草原の響き、華やかな京劇、そして西南地方の少数民族の美しいハーモニー・・・・・・。この番組では中国各地の心を揺さぶる旋律と音色をご紹介していきます。
中国の蒙古草原では、毎年7月から8月にかけて、緑の草原には花が咲き、羊の群れが白い雲のように移動していく景色が見られます。そして年に一度の「ナダム」祭りが盛大に開かれるのもこの時期です。「ナダム」とはモンゴル語で「遊ぶ」という意味で、期間中はモンゴル相撲や競馬、アーチェリーなど蒙古族の伝統的な競技が行われます。
さて、今日の中国メロディーはナダム祭りにちなんで、蒙古族の民謡を特集しましょう。ナダム祭りの歴史は古く、1206年にジンギスカンが蒙古帝国の創設を祝うため、数日にわたる盛大なお祭りを開いたのが最初だとされています。それ以来、ナダムは蒙古族の恒例行事の一つとして、毎年開かれるようになりました。では、まずは蒙古族の民謡「雲良」をお聞きください。雲良はモンゴル族の少女の名前で、彼女は結婚を機に、愛する故郷を離れ、一生戻ることはありませんでした。歌は少女の故郷を恋しがる気持ちを表しています。
M1 雲良
お聞きいただいたのは蒙古族の民謡「雲良」でした。
続いてお送りするのは、モンゴル族歌手・ソイラセハンさんがモンゴル族の伝統的な発声方法「ホーミー」で歌った「尖尖的山峰(険しい山並み)」です。ホーミーとは倍音を利用した一人二重唱、三重唱のようなもので、その独特な発生方法は声帯を振動させて気管や喉で倍音を共鳴させる技巧です。同時に2つあるいは3つの音を発してハーモニーを聴かせます。とても不思議な音色で、モンゴルの文化遺産とも言える代表的な民族音楽と言われています。ソイラセハンさんの重厚な歌声を聞くと、広々とした蒙古草原が思い浮びます。
M2 尖尖的山峰
中国メロディー、この番組は北京のスタジオから黄競がお送りしています。最後にお送りするのは蒙古族の民謡「图股勒吉山(トグレジ山)」です。内蒙古放送合唱団が歌ったこの歌は蒙古族の人々が故郷の美しい山河を讃えるものです。最後にこの蒙古族の民謡を聞きながらお別れしましょう。それでは来週まで。ご機嫌よう、再見!
M3 图股勒吉山
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |