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第2弾:指鹿為馬

2010-10-19 15:46:09     cri    

























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 栄華を極めた後、不老不死の霊薬を求めた秦の始皇帝も、結局寿命に勝てず、紀元前210年、ついに死去しました。遺言では、太子の扶蘇を位につけよということでしたが、丞相(じょうしょう)の李斯や側近の宦官(かんがん)趙高などは、自らの利益を守るため、賢い太子扶蘇のかわりに、始皇帝の遺言を偽り、幼い子の胡亥を立てて皇帝にしました。秦二世です。

 その後、趙高は競争者の李斯も殺し、丞相の座にのし上がり、実権を握るようになりました。それでも、趙高は満足が行かず、皇帝の胡亥に取って代わろうと企むまでになりました。ただ、そのためには、宮廷の大臣のうち、どのぐらいの人が自分の言いなりにするか、また、どのぐらいの人が反対するかを確かめなければなりません。すると、趙高はまことに奇態なテストを考え出しました。これによって、自分の威信を試すと同時に、自分に従わない人を明らかにできます。

 ある日、趙高は鹿を二世皇帝にたてまつり、笑いながらこう言いました。

 「陛下、いい馬を献上いたします」

 二世はそれを見たら、ぷっと笑い出しました。

 「いやいや、丞相は間違ってるぞ。鹿だろ?」

 それでも、趙高は顔色を変えず、平気にこう言いました。

 「陛下、もう少しよ~くご覧ください。これは確かに千里馬(せんりま)でございます」

 「でも、馬には角があるわけないだろう?」と、二世は鹿をもう一度見てから、半信半疑で言いました。

 趙高は「時機が来たぞ」と決めて、大臣たちに指を刺しながら、大声で言い出しました。

 「陛下、この私を信用できなければ、大臣たちに聞いてください」

 大臣たちは趙高のでたらめにわけが分からず、ひそかに考えます。「趙高はいったい何をしようとしているんだ!馬か鹿かはっきりしてるだろう」と。しかし、趙高が陰険な笑いを見せ、両目をぐるぐるとさせ、みんなをかわるがわる見つめているのを見て、その下心を悟りました。

 正義感があるものの臆病な人は、顔を伏せて、黙っています。話す勇気がありません。嘘をつけば、自分の良心が許さず、真相を話したら、趙高に迫害されるからです。「いや、明らかに鹿でございます」と直言する大臣もいました。また、趙高におべっかを使って、「これは千里を走れる馬でございます」というものも出ました。

 趙高は鹿だと真実を語った人々を覚えておいて、その後、無実の罪をかぶせて、殺してしまいました。以来、趙高に反対するものは大臣の中にいなくなったそうです。

 この「鹿を指して馬と為す」"指鹿為馬"という話は、『史記・秦始皇本紀』に載っています。この四字成語は是非を転倒し、黒を白と言いくるめることを意味しています。

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