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第1弾:「君子に九思あり」―完璧な人格を磨こう

2010-09-02 16:04:31     cri    

 























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 仕事のことや、恋、家族などで、あなたは人生の迷路に迷い込んだことがありますか?そんな時に、

 (人之初,性本善。性相近,习相远。子曰:有朋自远方来,不亦乐乎?人不知而不韫,不亦君子乎?。。。天行健,君子以自强不息。)暗闇を灯してくれる明かりがあります。先人の知恵を借りて、新鮮なエナジーでリフレッシュしてみませんか?

 NIHAO!ご機嫌いかがでしょうか。4月からスタートする新しい番組「古典エナジー」、担当はわたくし、周莉です。

 中国は5000年の歴史があります。歴史に生きる先人は数え切れない書物を残し、その思想の真髄を私たちが今でも引き継いでいます。また、いつか知らないうちに、私たちに忘れられた宝もいっぱいあります。この番組では、今でも活用できるそんな先人の知恵をもう一度掘り出して、皆さんと一緒に★みたいと思います。

 番組は二つのコーナーで構成します。パート1は、「古典サプリメント」と名づけました。毎回、1つのテーマを決め、古典の教えを皆さんと共有したいと思います。

 そして、パート2では、パート1で取り上げたテーマをめぐって、現代人の視点で見直し、いろいろ雑談をします。

 それでは、早速、今日の「古典サプリメント」!君子とは何か?題して、「君子に九思あり」―完璧な人格を磨こう」。「君子」という言葉は、孔子が活躍した春秋時代にすでに使われていました。今でも、「その人は君子ですね」とか、「ちょっと垢抜けた人間」というニュアンスがあって、ほめ言葉として使われます。

 パート1:古典サプリメント

 一、 君子とは何か?

 ☆孔子曰:「君子有九思:視思明,聽思聰,色思溫,貌思恭,言思忠,事思敬,疑思問,忿思難,見得思義。」(《論語•季氏第十六》) (朗読音声入り)

 訳文:「君子に九思あり。見るは明を思い、聴くは聡(そう)を思い、色は温を思い、貌(かたち)は恭を思い、言は忠を思い、事は敬を思い、疑わしきは問うを思い、忿り(いかり)には難を思い、得るを見ては義を思う。」

 現代語に訳すと、

 君子には常に心がけるべきことが九つあります。

 第一に、物事を見るときは、隠された部分(本質)もはっきり見るように常に心がけなければなりません。

 第二に、人の話を聞くときは、その真意を聴き取り、理解するように努めるべきです。

 第三に、人と接する時には、自分の表情と態度は常に穏やかなものであるよう心がけなさい。

 第四に、姿勢と振る舞いは常に謙虚でなければなりません。

 第五に、人と話をするときには、言行一致であり、誠実に話すべきです。

 第六に、仕事をするにあたっては、慎重かつ尊敬の気持ちをもって行動しなければなりません。

 第七に、疑わしいことに対しては、探究心を持って、真相をしっかり確かめること。

 第八に、腹が立ったときは、怒りを爆発させた後の面倒と困難を考え、自らを律するべきです。

 第九に、自分の利益になることに直面したときは、道義上、自分が得てもいいのか十分に考慮すべきです。

 孔子が言ったこの9つを常に心がけて行動できれば、どんなことに直面しても、バランスのよくとれた君子になります。君子とはまさに人間が目指すべき完璧な人間像なんですよね。

 『論語』では、「君子」というのは学問も人格もすぐれた理想的な人間として、孔子が自らを磨くと共に、必死に弟子に伝えようとするコンセプトです。そもそも、孔子の教育の目的は君子を育てることですね。君子の反面には、「小人」がいます。「つまらない人。いやしい人」というニュアンスがあります。

 君子は「九思」を身につけた人間ですが、その性格にはさらにいろいろな側面があると、孔子が教えてくれました。その教えを二三ピックアップしてご説明します。

 ☆子貢問君子。子曰:先行其言,而後從之。

 子貢君子を問ふ。子の曰く、まずその言を行ひ、而(しか)して後(のち)にこれに従ふ、と。

 現代語訳文

 子貢が君子のことをおたずねした。先生はいわれた、「まずその言おうとすることを実行してから、あとでものをいうことだ。

 子貢は孔子の弟子の中で、最も傑出した人物の一人です。その欠点といえば、ちょっと口上手というか、おしゃべりが好きというところでしょうか。孔子はこの言葉で子貢を戒めようとしているのではないでしょうか。

 中国の有名な大学、「清華大学」の校訓にも、"行勝于言"「言葉よりは行動」という言葉があります。孔子の教えと同じ趣がありますよね。

 言論と行動、一体どっちがもっと重要なのでしょうか? そして、両者のどっちを先に実行すべきなのでしょうか? それとも、ケースバイケースで判断すべきなのでしょうか? 現代に生きる私たちには、新しい理解の仕方ができるかもしれません。

 ☆ 子曰:君子不器。

 子(し)曰(のたま)わく、君子(くんし)は器(うつわ)ならず。

 優秀な人は器のように一つの目的にしか利用できないわけではなく、どんなことにも臨機応変に対処できるということ。

 器物はある用途にのみ有効ですが、君子はそうした一能一芸にのみすぐれるのではなく、広く何事にも通用する才能をもつべきだ、孔子はそう主張しています。しかし、人間の知識が限りなく増え続け、社会の分業がますます進んでいる今日、何にでも通じるということは、所詮夢想に過ぎません。

 「君子不器」という言葉は、学問に対する要求ではないと思います。この言葉の出典は、『論語・為政』からです。大きく言えば、どうやって国の政治を行うリーダーとなるのか、という問いに対する孔子の答えなのです。私たちの現実に合わせて言えば、どんな職場に配属されても、仕事を怠らず、前向きにものを考え、柔軟に対応していくという素質を指しているのでしょう。

 そして、常に、開放的な視点を持たなければならないと思います。人が長年一つの職場にいますと、そこでの常識が世間で通用すると錯覚しがちですね。もちろん、現実はそうではありません。普段からいろいろなことを学び、見識を広げ、明日の糧(かて)として蓄えていくべきではないでしょうか。

 「レッツトーク」。周莉です。今日はこの新番組の初回放送ですが、ゲストはこのお二人を迎えました。同じくCRI日本語部アナウンサー、ふ穎アナと謝東アナです。どうぞよろしくお願いします。

 新番組「古典エナジー」今日のテーマは、「君子」です。中国では昔から儒教と道教がありますが、儒家の場合は、孔子は重要なコンセプトとして、「君子」をいろいろな言葉でよく描いていますね。一方では、老子の場合、「聖人」と呼ぶのが普通です。どちらにしても、昔の賢人は、完璧に近い人物像を描きました。

 「九思」と「君子不器」について。

 ということで、「古典エナジー」第1弾は、君子についてお話しました。孔子の言葉からエナジーをいっぱい吸い取りましたか?目を澄ませ、耳を澄ませ、そして、心を済ませて人と接し、物事に対処することは難しい目標ですが、それを目指して、地道にがんばるべきではないでしょうか。

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