中国の煎餅は日本の煎餅とは違い、クレープに似た料理の一種です。中国では、山東煎餅と天津煎餅が最も有名です。
山東煎餅
山東省の名物・山東煎餅は、粟の粉に水を混ぜた生地を、鉄板の上に竹とんぼの様な木の道具で薄く丸くのばし、火が通るまで焼いてから、ひっくりがえして両面焼きにしたものです。食べるときには、中国の甘味噌を付けて、長いままの細ネギを巻いて食べます。
最近では、鉄板を回転式にし、すばやく大きくのばせるのをパフォーマンスにして、道端で売る店が増えているようです。泰山などの観光地では、名物にもなっています。
中国各地には、煎餅がありますが、山東煎餅は中国の煎餅のルーツだとされています。
天津煎餅
天津煎餅は、中国の華北地方でよくみられますが、作り方は山東煎餅と似ています。生地の原料として、粟の粉のほかに、緑豆の粉、または小麦粉と卵を使うことも多いです。水で溶いた緑豆の粉などの生地を卵と一緒に鉄板に広げて焼いた軽食で、カート式の屋台に七輪やガスコンロを置き、街角で売るのが一般的です。北京の屋台などで食べられる煎餅もほとんど天津煎餅の種類です。
山東煎餅を天津で改良したものとも言われています。昔は、粟の粉を使っていましたが、現在では、緑豆の粉が主流になり、味もずいぶんうまくなりました。しかし、北京や天津以外では、緑豆よりも値段の安い小麦粉を混ぜたり、完全に小麦粉に変えたものがあります。各地では、本場のものと風味が違うものが味わえます。
味付けは、もともと山東煎餅のように味噌とネギだけというシンプルなものでしたが、現在では、唐辛子味噌、腐乳、ニラの花味噌(クミンに似たもの)を加えたり、煎りゴマや香菜をまぶしたりすることや、煎餅の中に中国式揚げパンを巻いたりすることが増えています。 (編集:コオリ・ミン)
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