リスナーの皆さんもご存知のように、中国は5000年の歴史を持ち、多彩な民族文化を誇っています。これらの素晴らしい歴史文化をいかに伝承していくのか、各界からの注目が集まっています。今日の中国民族音楽はユネスコから無形遺産に指定された、さまざまな民間音楽や伝統芸能をみなさんに紹介しましょう。
まず、お送りしますのは中国西南部・貴州省トン族小学校の子供たちによるアカペラ合唱です。トン族の少女たちの清らかな美しい歌声と、高い芸術性に溢れたハーモニーは、多くの人々の心を捉えて離しません。
中国芸術研究院音楽研究所の田青所長は、次のように話しています。「ヨーロッパ音楽界では、こうしたアカペラ合唱はテクニックが必要であり、難易度が非常に高いと言われている。しかしながら、トン族の少女たちは専門的な音楽教育を受けたわけではないのに、これだけの美しいハーモニーを生み出すことに成功している。これは非常に驚くべきことだ。」
では、トン族の少女たちによる合唱で、「トン族の歌」をお聞きください。
次にお送りしますのは中国代表的な伝統楽器、「古い」に「琴」と書いて、古琴の演奏です。古琴は3000年の歴史を持つ伝統ある琴で、その歴史を感じさせる音色がとても魅力です。古琴は2003年、ユネスコの文化遺産リストに登録されました。
中国の有名な民族音楽家・田青さんが、古琴にまつわる伝説を聞かせてくれました。
「2000年前の春秋戦国の頃、孔子は弟子たちに「詩経」を教えました。このとき孔子は古琴を用いて、唄うように「詩経」を唱えたと言われています。また、三国時代、司馬懿(しば・い)の率いる百万の大軍に包囲された諸葛孔明は、絶体絶命の状態でありながら、城壁の上で古琴を奏でました。これは、城壁の裏に大軍がいると勘違いさせる作戦で、見事司馬懿は恐れて撤退するのですが、これは「空城の計」という逸話として、いまも語り継がれています。このように、歴史上、古琴にまつわるエピソードは数多く存在するのです」
では、古琴の名曲「流水(流水)」をお楽しみください。演奏は、中央音楽学院の李祥庭教授です。李教授が演奏に使ったのは、今から1200年前の、唐の時代の古琴だということです。こんな古い楽器で奏でられる音色とは、一体どんなものなのでしょうか。どうぞ、お聞きください。
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