漢詩の詩吟は中国人が伝統的な詩文を吟じる一つの方法です。中国古代におけるもっとも基本的なこの教育方法は3000年あまりの歴史を持ち、中国無形文化財の代表にもなっています。
「唐調」という漢詩の詩吟方法は、無錫市第3高校の初任校長を努めた、国学の大御所である唐文治さんは、伝統的な詩吟方法を受け継ぎ、革新を行った上で、漢詩の新しい詩吟方法と学習方法を編み出しました。
無錫市第3高校の教師と生徒は「唐調」を研究し、受け継ぐために、このほど24人の高校生からなる「唐調」研究チームを設立しました。
無錫シリーズ、今日は漢詩詩吟の1つ「唐調」の伝承についてその前半を紹介します。
お聞きいただいていますのは、唐文治さんが今から65年前の1947年、彼が82歳の時に「唐調」で吟じた「詩経(しきょう)・鴇羽」の一段落です。
唐文治さんは1865年に生まれ、1912年に今の無錫市に移住しました。1920年から1930年までの十年間に、私立の無錫中学(今の無錫第3高校)の校長を務めていました。1920年から50年までは無錫国学専修学校の校長を担当していました。
唐文治さんは儒学の経典(きょうてん)に精通し、漢詩の詩吟が得意でした。その独特な詩吟方法は、教え子たちから「唐調」と呼ばれています。2つの学校の校長を担当していた唐さんは特に国学の教育を重視し、生徒たちに伝統的な詩吟方法で古代の詩文を読むことを要求し、江南地域で高い名声を獲得しました。
学生の呉友梅さんは「唐先生は年を取り、目がとても不自由ですがよく学校に来て講義を行い、伝統的な詩吟方法を学生達に教えています。休憩の時に学生達と外の教職員達は唐先生の詩吟方法を真似て、大声を出して吟じています。その独特の読書の声がキャンパス内に溢れていました」と述べました。
「唐調」は唐と宋、元、明、清の時代の文人墨客が詩文の詩吟方法を保留し、詩と詞(し)、文章などを読む時にも使用することができ、方言と昔の詩吟の味を深く味わえます。
「唐調」の伝承者・無錫市に住む国語の先生・徐忠憲さんは「『唐調』は2つの特徴を持っています。1つは上と下の2つのアクセントがあり、1文字は1拍です。もう1つはとても簡単で、誰でも勉強できます」と述べました。
中国の詩吟は多くの流派があります。例えば、「唐調」と「雲南調」、「山東調」、「平江調」などです。「唐調」は清の時代の後半から1940年代に生まれたもので、最も良く伝承され、また吟じやすいものだとされ、時代を超えた伝統的な詩吟方法の一つだと言われています。
詩吟は数千年の歴史を持っています。しかし、昔録音技術がないことから、漢詩や唐詩、それに清の時代の桐城派の古文などの録音はみななかったということです。
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