北大西洋条約機構（NATO）のストルテンベルグ事務総長は30日、欧州議会外交委員会の討論会に出席し、「NATOと欧州連合（EU）は安全保障分野の新しい課題にともに直面しており、協力を強め、対応していかなければならない」と表しました。

　ストルテンベルグ事務総長は「NATOとEUは異なった機構だが、多くの共通点を持っている。EU加盟国のうち22カ国はNATOの加盟国でもある。現在、NATOとEUはウクライナ危機と中東地域のテロリズムによる脅威と安全保障上の課題に直面している。こうした情勢の下で、NATOとEUは、安全保障に関する対応能力の強化や周辺諸国との安保協力、防衛に関する投資増加、これら3事項の協力を強める必要がある」と分析しています。

　ストルテンベルグ事務総長は「冷戦が終結し、NATOは欧州全体の防衛と世界危機の処理という2つの任務を同時に遂行する必要がある」と話しました。ですが、ロシアについては「NATO加盟国にとってまだ差し迫った脅威となっていない」と述べました。（殷、小山） 国際・交流へ