会談で李首相はまず、先月起きた銃乱射テロ事件について、見舞う気持ちを伝えました。李首相は「両国の投資保護協定の発効でのカナダ側の努力を歓迎する。貿易と投資規模を拡大し、2020年までに、その額が1000億ドルに達するよう努力していきたい」と期待を示しました。また、カナダに対して『人民元適格外国人機関投資家（RQFII）制度」（海外の機関投資家に中国本土の株式などへの投資を認める）を適用し、500億元の投資枠を認めたうえで、トロントでの人民元オフショア取引センター建設を推進していくことを明らかにしました。さらに、人的交流を強化し、2015年から2016年にかけて中国・カナダ文化交流年を成功させるとともに、中国人に対し、ビザなどの面で、より便宜を図るよう希望しました。

　一方、ハーパー首相は「中国はカナダの重要な協力パートナーであり、両国関係の発展が良好で、双方は共に利益をもたらしている。カナダは中国と全方位的友好関係の推進に力を注ぎたい。中国側の理解と支持に感謝し、貿易や投資、科学技術、エネルギー、金融、教育、観光などの分野における互恵協力を拡大していきたい。北京でのAPEC会議が必ずや、ずばらしい成果を収め、アジア太平洋地域の発展の繁栄を促進していくに違いない」と述べました。

　会談後、双方は経済貿易、エネルギー、金融、航空分野での協力文書の調印式に立ち会いました。（ooeiei、山下）