アメリカのオバマ大統領は23日から、日本、韓国、マレーシアとフィリピンの4カ国への歴訪を始めました。その主な目的はこの地域で絶えず増強している中国の影響力を抑制することにあると見られています。これに対して、中国の国際問題専門家は「オバマ大統領の歴訪はアジア太平洋のリバランス政策の強化を目指している。中国はその動向を留意するべきだが、あまり憂慮する必要がない」と指摘しています。

　中国現代国際関係研究院の張志新研究員は「オバマ大統領の歴訪は、実際の行動で日本やフィリピンなどの同盟国の不安を取り払うと共に、アジアにおけるアメリカの権威を再確立することにある」と述べました。

　オンライン雑誌「ザ・ディプロマット」が23日に発表した論評は「オバマ大統領のアジア4カ国の歴訪には中国が含まれていないが、歴訪は中米関係に大きな影響を与えるだろう」としています。これに対して、張志新研究員は「中日の釣魚島問題や中国とフィリピンの仁愛礁問題、また朝鮮の核問題について、アメリカとその同盟と話し合う時に中国を避けて通ることはできない。世界第二の経済体としての中国の影響力を無視できなくなる現在、アメリカは気候変動や国際金融など多くの分野で中国との協力が欠かせないものである。一方、中国とより親密になると同盟国からの不満を招く。そのため、アメリカは中国に対し接触しながら防備するという対中政策を通じて、微妙なバランスを保っている。ですから、オバマ米大統領の歴訪が中国を抑制することにあると見られているが、中国としては憂慮する必要がなく、平常心で対処すると共に、冷静にその動向を見守り、慎重に判断すべきだ」と述べました。（Katsu、Kokusei）