中国国務院の李克強首相は26日午前、人民大会堂でシンガポールのリー・シェンロン首相と会談しました。

　会談で李首相は、「中国とシンガポールは国交樹立以来、両国関係と相互協力が絶えず発展し、双方に重要な利益をもたらしている。現在、両国が直面している国内外の環境もそれぞれ新たな変化が起きている。双方が各分野での交流と協力を強化し、国際地域における事務について協調し、相互理解、相互尊重のもと、健全で安定した両国関係の発展を推し進めていきたい」と述べました。

　また李首相は、「中国の新たな政府はASEANとの友好協力を周辺外交の優先方向にし、ASEANとの戦略パートナーシップを更に深化させる。ASEAN加盟国間の歴史問題などの解決に尽力し、共に中国とASEANの協力発展の大局を維持していきたい」と話しました。

　さらに「中国政府は平和発展の道を堅持し、国家主権と領土保全への意志は揺ぎないものだ。この地域の国家間に存在する食い違いについて、私たちはこれまでずっと当事国同士が直接協議と交渉を通して解決すべきだと主張している。事態を複雑化、拡大化させるようないかなる行動もとってはならない。中国は、地域及び世界の平和、安定と発展を維持するために引き続き努力したい。シンガポールにも建設的な役割を発揮してもらいたい」と強調しました。

　リー・シェンロン首相は、「シンガポールは対中関係を重視し、中国との交流を強化し、協力のメカニズムを完備していく。協力分野を拡大し、両国の自由貿易区のグレードアップを目指したい。ASEANと中国における関係は充実しており、主流となっているのは常に友好協力だ。シンガポールは中国のASEANに対する支持と地域の平和、安定、発展のために果たしてきた積極的な役割を評価し、当事国が友好的な話し合いで食い違いを解決することを支持する。シンガポールは中国と共に努力し、ASEANと中国の関係と地域協力を更なるレベルに推し進めたい」と述べました。（劉叡、吉野）