ILO・国際労働機関は5日、ジュネーブで「経済・貿易、政治を一体化するEU諸国は、社会保障を代価として輸出を刺激し、競争力を高めることで経済の振興を図るべきでない」と指摘しました。

　ILOの計画・管理局局長はこの日「世界金融危機以降、EU諸国は様々な措置を講じて人件費を削減し、企業の再編を図ろうとしている。このほか、一部のEU諸国は公共事業の支出を削減し、財政赤字の拡大を防ぐ措置を講じている。人件費と公共事業の支出削減は消費を抑制するため、経済の回復に役立たない」と語りました。

　局長はまた「社会保障と人件費の削減はEU経済の回復を実現できなかったほか、EU諸国の失業人口は2600万人に上った。EU諸国の緊縮政策はこれらの国の経済衰退を導く可能性がある」と強調しました。（Yin）暮らし・経済へ