シリアのダマスカスでは武装衝突が一週間も続いています。シリア政府軍がすでに情勢を抑えていますが、シリア第2の都市アレッポが政府軍と反体制派武装勢力との新たな戦場となっています。
武装衝突の発生から一週間経ってもなお、ダマスカスの都心部では依然として分散的な交戦が続いていますが、シリア政府軍がほぼ制圧したということです。政府軍は戦車と武装ヘリコプターによってダマスカス郊外に潜む反体制派武装勢力に攻勢をかけています。カタールの衛生テレビ局アルジャジーラの報道によりますと、政府軍が都市を封鎖したため、反体制派武装勢力は武器と人員の補給ができず、22日からダマスカスからの撤退を始めています。
シリア政府は21日に記者たちを集め、すでに政府軍の手中にあるミダン地区の取材を行いました。ダマスカス近郊のミダン地区は以前から反体制派が集中して潜伏する場所であり、先週始まった政府軍の掃討活動は深刻な反撃を受けました。街には戦車や銃を持って街をパトロールしている政府軍兵士の姿もあり、数日間続いた激戦で地区内は破壊され、一部の建物からは今も火の手が上がっています。工場やモスクも破壊され、開いている店は一つもなく、住民の姿は見えません。
現在、ダマスカスでは物資の供給が滞っており、スーパーマーケットの棚に商品はなく、営業を停止しています。シリア政府は今後数日以内に野菜や果物、肉などの食糧の供給を優先的に解決するとしています。ダマスカス県の責任者は、「5日以内にミダン地区の生活を全面的に回復させる」とし、21日から一部のインフラの復旧作業を始めています。
しかしダマスカスでの戦闘が収束に向かう一方、反体制派はシリアのアレッポでの軍事行動を強化しつつあります。
カタールの衛生テレビ局アルジャジーラの報道によりますと、反体制派は22日に声明を出しアレッポで「解放戦」を始めるとしまし、アレッポ郊外にいた武装勢力が集結しています。そのうちの戦闘分隊はアレッポ郊外にある村を制圧したと宣言しました。
またアレッポ市内でも銃声が響き、煙があがっています。
シリア人権監視団による統計データによりますと、これまでに武装衝突で死亡した人数はおよそ2万人に上っています。また国連難民高等弁務官事務所によるデータはヨルダン、イラク、レバノン、トルコに逃れた難民は少なくとも15万人以上はいるとしています。
シリア政府軍は人数と武器の装備では反体制派を上回っているものの、国防のために政府軍が装備した重火器は反体制派の分散的な武装への対応には弱く市街戦では不利な状況となっています。このほか、反体制派はより有効的な連絡メカニズムを作り上げ、中には西側国家の情報機関の貢献も見られ、外国から入ってきた武器は反体制派を有利にしています。アナリストの分析によりますと、シリアの内戦は常態化し、さらに多くの一般市民が巻き込まれるだろうとしています。(白昊、吉野)
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