中国の李保東国連大使は19日、ニューヨークの国連本部で、「イギリス、米国が提出したシリアを制裁する決議案には重大な欠陥があり、アナン特使の斡旋、ジュネーブ公報の精神に背き、シリア問題における国際社会の相互信頼と協力を損なうものだ」と指摘しました。
国連安保理では19日、イギリスなどによるシリアを制裁する決議案の採決を行いましたが、ロシアと中国は拒否権を行使し、パキスタンと南アフリカは棄権した結果、採択されませんでした。李大使は採決後の記者会見で「国際社会の急務はアナン特使の斡旋を支持し、シリア問題に関するジュネーブ会議の公報、安保理の関連決議、そしてアナン特使の6つの提案を実行に移し、シリアの停戦を図ることによって、寛容な政治対話の条件を作ることだ」と述べました。その上で、イギリス、米国が提出した決議案はこの目標に背くものだと指摘しました。
李大使は、更に「この決議案には重大な欠陥があり、内容はアンバランスで、一方的に圧力をかける意図が明らかである。事実が証明したように、このようなやり方は、シリア問題を解決するどころか、逆に政治解決の軌道から逸脱する。これによって、不安定な情勢がエスカレートし、この地域やほかの国に広がり、地域の平和と安定を破壊し、最終的にシリアとこの地域の人々の利益を損なうに違いない」と述べました。
また「この決議は、安保理の団結を破壊するものだ」と指摘し、「各国の主権の平等と内政不干渉は『国連憲章』で定められた各国関係を処理する基準だ。シリアの運命は外部の勢力ではなく、その国民が決めるべきもので、関連問題は軍事手段ではなく、政治手段で解決されなければならない」と強調しました。
そして、李大使は「一部の国は他国の内政を干渉し、国々の矛盾を挑発するほか、最初からアナン特使の斡旋と国連査察団の派遣に消極的かつ傲慢な態度をとっている」と指摘しました。その上で、その国々は自身の政策と行為を真剣に反省し、直ちに正確な軌道に戻るよう要請しました。(FUYING、高橋)
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