アフリカ連合（AU）第18回首脳会議が27日からエチオピアの首都・アディスアベバで開催されています。「アフリカ域内の貿易促進により、経済成長を実現し、揺れ動いている世界経済からのインパクトを効果的に抵抗する」ことが会議の主な議題となっています。今回の会議で、同じく広く注目されている動きは、アフリカ連合が初めて、連合所有の会議センターで首脳会議を開くことです。

　28日、中国全国政治協商会議の賈慶林議長は、アフリカ連合会議センターを象徴する金のカギを、AUの責任者に手渡しました。中国もアフリカも、中国政府の援助で建設したこの会議センターは、双方の友情と実務的協力での一里塚になるよう期待しています。

　アディスアベバに落成したAU会議センターは、中国の対アフリカ援助では、タンザニア鉄道に次いでの大掛かりのプロジェクトです。会議センター前の広場に立って、高く聳え立つ会議センターの本館ビルを見上げれば、記念碑を思い出させます。高さ99.9メートルのこの建物は、1999年9月9日の「アフリカ連合の日」を表し、そのデザインは、アフリカ発展史の重要な一ページ、または、中国のアフリカ援助の新しい一ページが開かれたことを象徴しています。

　中国政府が会議センターを建設する初心について、賈慶林議長が28日に行われた落成式典で「2006年11月、中国アフリカ協力フォーラム北京サミットで、胡錦涛国家主席は、中国がAU会議センターを建設、寄贈し、アフリカ諸国が連携して強くなるよう努力するプロセスを支持することを宣言した。これは中国政府と人民が友好的なアフリカ諸国と人民に対する貴重なプレゼントである。新しい世紀における中国・アフリカ関係の更なる発展のシンボルと縮図であり、中国とアフリカの建設者の心血と汗水の現れでもある」と話しました。

　続いて、エチオピアのメレス大統領は「この新しいAU本部ビルの落成は、アフリカの台頭と復興を現している。われわれとしても、このビルの落成により、次のメッセージを伝えたい。それはつまり、一度絶望に陥り、拘禁されていたアフリカはいま、新たな希望に燃えている。アフリカは、決して瓦解されてはならず、また、二度と植民地支配を受けることもなく、暴力や衝突に見舞われることもないメッセージなのだ」と述べました。

　総建築面積5万2千平方メートルのAU会議センターは本館のほか、2550席のドーム型会議ホール、600席あまりの会議ホール、多目的ホール、緊急医療センター、デジタル図書館からなっています。AU委員会委員長事務室のシンカイェ大使は、プロジェクトの発足から落成までの一部始終に立会ってきました。

　「新しい会議センターは、AUの業務展開に数多くの利便性を提供してくれる。受益したのはAU委員会のみならず、各メンバー国もそのメリットを享受できる。首脳サミットを始め、現在の本部ビルでは開催できないイベントを主催することができるようになった」

　工事の順調な実施を確保するため、中国商務省は特別コーディネーター1名を派遣し、AU側と交流と調整に当たらせました。全体デザインや設計、色彩の選択など、終始、アフリカ側の意見を尊重することが中国の原則です。調整役担当の中国商務省の曽花城参事官は「最終的な使用者はわれわれではないので、このプロジェクトが、良い形で完成させたい。そのため、AU側関係者に沢山参加してもらうようにした。好みの色や美意識は中国とアフリカとで違いがあるので、広い空間の色彩などについて、必ず彼らに見てもらって、決めてもらった」 と話しました。

　鍵の引渡し式における賈慶林議長は「会議センターは、中国政府と人民がアフリカ諸国と人民に対する深い友情をこめており、アフリカ諸国と人民が手を携えて努力し、繁栄かつ進歩していくよう願いを込めている。中国政府と人民がこれまで通り、アフリカ社会の発展と経済建設を断固支持していく決心の表れでもある。センターの落成は必ずや、中国とアフリカの実務的な協力で美しい楽章を書き残すに違いない」と述べました。（Yan、Kokusei）