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 NATO、リビア攻撃を傍観?

2011-03-23 15:15:09     cri    
 18日から22日まで、NATO・北大西洋条約機構加盟28カ国の代表が、ブリュッセルの本部で緊急会議を開きました。中心の議題は、アメリカやイギリス、フランスが発動したリビアへの軍事行動を、いかに支持、参与ないし受け継ぐかでした。

 NATOのラスムセン事務局長は22日午後、声明を発表し、「NATOは、軍艦や戦闘機を出動させて、武器や雇い兵を不法輸送する船舶を監視、迎撃するなど、地中海でのリビアへの武器輸送の取り締まり活動に当たらせる」としています。一方「アメリカ、イギリス、フランスに次ぐ軍事行動計画は制定できたが、実施の具体的時間はまだ未確定だとしています。

 これに対して、アナリストは「『実施の具体的時間は未確定』ということは、軍事行動計画が採択されなかったことに対する言い訳だ」と指摘しています。緊急会議が開催された5日間、アメリカのオバマ大統領は、アメリカが制定した「オデッセイの夜明け作戦」に一日も早く参加するよう、圧力をかけてきました。にもかかわらず、各国の代表は軍事行動の決議を採択しませんでした。それどころか、NATOの高官によりますと、21日の非公式会議では、ラスムセン事務局長はドイツとフランスの立場を厳しく非難しました。これを受けて、両国の代表は憤然として退場したということです。

 ところで、アメリカ、イギリス、フランスをはじめとするNATOの加盟国が軍事行動を発動しましたが、NATOのすべての政策の実施には加盟国全員の合意が必要です。リビアへの軍事行動に、トルコやドイツは強く反対しており、トルコのエルドアン首相は「多国籍軍による空襲で多くの死傷者が出た。軍事行動は今や侵略になっており、リビアの統一に厳重な損害を与えている」とした上で、「トルコの戦闘機はリビア国民に向けて爆弾を投下することはできない」と述べました。また、ドイツは、いかなる軍事行動にも参加しないと表明し、ドイツ国防省は22日、「地中海に配備された4隻の軍艦の指揮権を回収した。NATOの偵察任務についている数十名の兵士も撤退した」と表明しました。このほか、一部の東ヨーロッパの国も、軍事行動の動機や結果に対して、懸念の意を示しました。

 NATOの内部に亀裂が入ると同時に、混乱も現れています。フランスは、アラブ諸国の強い反発を懸念して、アラブ諸国が入った参戦国外相からなる「特別政治委員会」を立ち上げ、軍事行動を監督することを提案しました。アメリカのオバマ大統領も、数日内に「オデッセイの夜明け作戦」の指揮権を受け継ぐよう、NATOを促しています。

 アメリカの圧力の下、NATOが制定した軍事行動計画を採択するかどうか、まだ明らかになっていません。しかし、現段階では、参加は一部の国にとどまっており、一部の国は反対の立場を表明しています。一方、欧米の主要報道機関は関連記事で、出来る限りNATOの亀裂を避け、軍事行動の人道主義と勝利に力を入れています。(朱丹陽)

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