2005年から始まった第11期五ヵ年計画の5年間は、中国にとって、国内外の環境の変化が複雑で、大きなリスクや課題に直面した5年間でした。中国共産党は、力強いマクロコントロール政策を実施し、国際金融危機に効果的に対応したことによって、経済は安定且つ比較的速い発展を遂げています。
監査機関は、経済の安定且つ比較速い発展の促進を中心に、事業を展開してきました。このうち、資金運用、国有資産の安全と海外投資のリスクへの管理強化、中小企業支援策の整備、産業構造の調整の強化などの提案は、関連部門に取り入れられ、効果を挙げています。
全国の監査機関は合わせて72万の企業や団体などを監査したことを通じて、3179億元の支出を節約し、546億元の損失を避けました。これについて、国家審計署(国の財政・財務に関する監査を行う機関)の劉家義署長は「5年間で、全国の監査機関は6531の重大な犯罪行為を摘発し、摘発者は8934人に及んでいる。そのうち、局クラス以上の幹部が124人、省クラスの幹部が3人いる」とした上で、これらの行為の特徴について「まず、審査、政策決定、融資、入札などに集中しており、金融取引、国有株の移転、土地鉱山資源の管理の3つの分野が特に多い。また、内外結託で利益を獲得する案件も多い。そして、管理が遅れている一部の政策的金融機関などによる違法行為が日増しに増えている。このほか、犯罪手段もより目立たなくなり、巧妙化している。インターネット銀行を利用した大量の資金移出やインサイダー取引などは、取調べが難しい上、金額が莫大だ」と述べています。
ところで、国家審計署は監査結果を公表しているが、「量が少ない」、「内容が詳しくない」、「監査の力が弱くなっている」と指摘されています。これについて劉署長は「監査結果を公開するのは、国の政務の重要な内容である。私個人としては『太陽の光は最も効き目のある防腐剤』だと信じている」と強調した上で、監査結果の公表ルートについて「第一に、国務院の委託を受け、毎年全国人民代表大会常務委員で行われている中央予算執行とその他財政財務収支状況に関する監査活動報告を公開している。第二に、個別の監査結果は公告の形で公表している。第三に、特殊ケースについては記者会見の形で公開している」と語りました。
2010年1月から10月末までに、全国で公表された監査結果の公告は2896件を上回り、去年の同じ時期より54.9%増加しました。そのうち、審計署が発表した公告は23件で、去年同期より64%増えました。
過去5年間で最も印象深い監査について、劉署長は「四川大地震の復旧作業に対する監査だ。地震発生後、審計署はすぐ救援物資に対する監査を始めた。全国の1万2000人あまりの監査担当の幹部が、地元の3万2000あまりの部門に対して全面的に監査を行った。その過程で、3670あまりの提案を行った。各レベル政府はこれにあわせて規定を出したり、制度を整備したりした。全部で570項目以上になっている。これによって、救援物資の募集、管理、使用の安全、公平のほか、効果的、規範化、透明化が促された。審査作業の強化によって、救援の資金や物資の使用で懸念される不正を未然に防ぐことができた」と述べました。
このほか、劉署長は監査の現状から、次の問題の改善が必要だとみています。1、財政、金融、投資、企業などの管理体制がまだ整備されておらず、関連の改革を深めていく必要がある。2、地方政府の債務、融資の構造、戦略的物資の備蓄、秘密情報の管理などにはリスクが存在しており、国の経済と安全が脅かされている。3、環境汚染が深刻で、生産能力が低い企業の閉鎖などの作業を強化する必要がある。企業の自主開発の能力が足りず、経済の持続可能な発展が制限されている。4、民生事業の発展が理想的なものになっておらず、所得の配分を調整する必要がある。住宅、入学、診療、老後の生活、社会扶助などのシステムを整備する必要もある。5、違法行為が多発している。一部の部門や企業は内部制度が整備されておらず、権力が集中しすぎて、私服を肥やす行為を規制することが出ない。監督を強化する必要があること、などを取り上げました。(朱丹陽)
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