ムバラク大統領とバイデン副大統領は1時間半にわたり会談を行いました。会談はイスラエルの国際人道主義援助船団に対する襲撃事件による中東情勢の緊迫化や、パレスチナとイスラエルの間接交渉などの問題を話し合ったほか、アフガニスタン問題や、イラク問題、スーダンの情勢、イランの核問題などの問題にも触れました。会談後、バイデン副大統領は「アメリカは現在、エジプトと中東地域のほかの同盟メンバーと密接な交渉を行い、ガザ地区の封鎖問題の新しい解決方法を探している。新しい方法は、ガザ地区が人道主義、経済、安全、政治などの面で直面している問題を解決する」と述べました。ムバラク大統領は、ガザ地区に対する封鎖を解除すると共に、パレスチナが独立した国を建設する目標を実現するために、引き続き努力していくよう各方面に呼びかけました。
専門家は「イスラエル軍が国際救援船団を襲撃したことに対するアメリカの態度はずっとあいまいなままである。バイデン副大統領のエジプト訪問で、中東地域の緊迫した情勢を緩和し、最終的にガザ地区の封鎖を解除する目的の実現は難しい。アメリカは、イスラエルのガザに対する封鎖政策は持続できないもので、変える必要があると示したにもかかわらず、イスラエルの行為は指摘していない。バイデン副大統領は、アメリカが引き続き行動を取り、イスラエルに対しガザ地区のパレスチナ人の生活を改善していくことを促すと表明した」と見ています。
このほか、アメリカの調停の下で、パレスチナとイスラエルは5月9日から4ヶ月間にわたる間接交渉を行っていますが、ユダヤ人入植地と東エルサレムなどの問題における食い違いによって、大きな進展はありません。また、国際人道主義救援船団の襲撃で、数十人の死傷者が出たことは、国際社会から強い非難を受け、このことがさらに間接交渉にも影響しています。
アメリカのミッチェル中東問題特使が3日、ヨルダン川西岸都市のベツレヘムを訪問した際、「イスラエル軍の国際人道主義援助船の襲撃事件は、パレスチナとイスラエルの間接交渉を妨げる要素にならない」と強調しました。一方、エジプトのアブルゲイト外相は6日、「パレスチナとイスラエルの間接交渉はまだ続いているが、イスラエルの国際人道主義救援船団の襲撃事件は必ず交渉の進展に影響を与える」と語りました。パレスチナとイスラエルの交渉問題について、まもなく、アメリカへオバマ大統領と会談するパレスチナ自治政府のアッバス議長は、間接交渉が膠着状態に陥ったことを認めました。
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