中国人力資源社会保障省の楊志明次官は28日北京で、出稼ぎ労働者に関する一連の数字を発表し、「現在農村からの出稼ぎ労働者は2.3億人近くになった。政府は中小都市がこれら出稼ぎ労働者の戸籍問題の解決を促していく」と述べました。
中国では、農村戸籍を有しながら、出稼ぎで都市に出て各種労働に従事する出稼ぎ労働者は「農民工」と呼ばれています。農民工は都市部の人々と同じような保障や福祉を受けることができません。楊志明次官はこの日全人代常務委員会に報告した際、「今後中小都市に戸籍を移す条件を緩め、農民工の中小都市への移籍を促進する」と述べました。
「安定した職業を持ち、また都市部で何年間暮らしていた出稼ぎ労働者を保障性住宅(中低所得者を対象にした政府保障のついた住宅)の対象範囲に入れ、出稼ぎ労働者向けの公共賃貸住宅制度を設立し、出稼ぎ労働者の居住環境を改善する」と述べました。
新世代出稼ぎ労働者の変化について、楊志明次官は「まず第一、出稼ぎ労働者の数が増えつつあること。第二は30歳以下の新世代出稼ぎ労働者を中心に、教育程度が向上したこと。第三は出稼ぎ先は東部沿海地区を中心としているが、そのシェアが減少していること。第四は、出稼ぎ労働者の収入が絶えず増えていることなどが挙げられる」と語りました。
統計データーによりますと、およそ50%の出稼ぎ労働者は技能訓練を受けたこと、2005年から2009年にかけて、西部地域で就職した出稼ぎ労働者の数は8ポイント増えたこと、その収入は過去5年の間、年平均して15.5%増えたということです。
金融危機発生後、政府は出稼ぎ労働者の就職を促進するため多くの措置を講じました。例えば、政府投資の建設プロジェクトを通じて、多くの出稼ぎ労働者に仕事のチャンスを提供したり、出稼ぎ労働者を解雇しないよう大型企業に訴えたり、また給料の未払い問題の解決に尽力していました。そのため、金融危機の影響を受けたものの、2009年都市部で就職できた出稼ぎ労働者は前年より492万人増え、150万人の出稼ぎ労働者のために給料の未払いや賠償金の問題を解決しました。
中国政府は今後5年間様々な措置を講じて、労働報酬、戸籍、教育などの面で出稼ぎ労働者の権益を保障する計画です。楊次官は「出稼ぎ労働者の給料の未払い問題を今後とも重視する。特に建築業界では給料の保証金制度を実施する。技能訓練の補助金制度を更に充実なものにし、出稼ぎ労働者に技能訓練を受けるチャンスを与える」と述べました。
一方、今月27日北京の人民大会堂で、全国模範労働者に選ばれた70人の出稼ぎ労働者は胡錦涛国家主席ら国家指導者の表彰を受けました。胡錦涛主席は、労働を尊重し、労働者を保護することを強調しました。(翻訳:ooeieiチェック:国清)
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